ティルフィング、ちょっといいか？
はい、マスター
いかがなさいましたか？
えっと、別に
大したことじゃないんだけど
ティルフィングと
ちょっと話したいなと思ってさ
どうかな？
問題ありません
どうぞ
ご用件をおっしゃってください
あー、いや
そんなかしこまる必要もないんだけど…
学園生活にはもう慣れた？
はい。問題ありません
そっか。ならいいんだ
ただ、もしなにか困ったことがあったら
そのときは遠慮なく言って欲しい
大したことはできないかもしれないけど
できる限り力になるよ
まぁ、俺も先輩ヅラできるほど
この辺に詳しいわけじゃないんだけどさ
お気遣いありがとうございます
ですが、その必要はありません
え？
私がこの学園へ
来たばかりなのは確かですが
この時代のことがまったく分からない
というわけではありませんから
どういうことだ？
マスターの手で顕現したさいに
あなたのもつ知識はある程度共有されましたから
ですので、今のログレスや学園のことも
概ね把握できているのです
そ、そうだったのか…
俺、まだ勉強不足でさ
ティルフィングも色々わからなくて
困ってるんじゃないかと思ってたんだ
けど、それも杞憂だったみたいだな
ちょっと安心したよ
ご心配をおかけし申し訳ありません
いやいや、謝らないでくれ
俺が勝手に心配しただけだから
あ、ただ、別に困ったことがなくても
いつでも声かけてくれていいからな
やっぱり、ひとりよりは
誰かと一緒のほうが楽しいだろ？
楽しい？
楽しい、ですか…
誰かと一緒にいるときは
楽しいという感情を抱くものなのですね
ティルフィング？
あっ、あー
えーっと…そうだ！
ティルフィングのことを知ってる人
どこかにいないかな？
ほら、直接の知り合いじゃなくても
ウワサとか伝承を聞いたことある人とかさ
そんな人なら
キミも一緒にいやすいだろ？
いいえ
え？
かつての私を記憶する者は
もうどこにもいません
あの地に突き立つ剣となった私も…
そうなる前の、私も
ごめん、悪いこと聞いたな…
いいえ
お気になさらず
…すみません、マスター
これ以上お話がないようであれば、私はここで