ちょっと小腹が減ったなぁ
なんか食べるものでも探すか
確かこの先にホットドッグ屋があったよな
あれ、あんたは…
おっ、ノワールじゃないか！
お前もここのホットドッグを食べに？
ああ。まさか、あんたも？
ああ！この店のホットドッグは俺の大好物でな！
お前とは気が合いそうだ！
お、そうだ！
ここはひとつ俺がご馳走してやろうじゃないか！
- いや、いいよ
- それじゃ遠慮なく
え！？
い、いいって。悪いよ
まぁ、そう言わず！
人の好意は素直に受け取るものだぞ
王におごってもらえる機会などそうそうないぞ？
遠慮なく甘えるといい！
はぁ…
それじゃ遠慮なく
おごってもらおうかな
うむ、素直なのはいいことだ！
気に入った！
今ならサイドメニューもつけてやろう！
いや、そこまではいいよ
謙虚さも持ち合わせているとは
ますますもって気に入ったぞ！
親父さん、ログレスドッグふたつ
ソース多めで頼む！
あいよ！
ほら、お前のぶんだぞ
さあ、一緒に食おうじゃないか！
本当にいいのか？
もちろんだとも
入学祝いってやつだな！
祝われるような経緯じゃなかったと思うけど
たしかに！
だが俺はお前の入学を歓迎している
その気持ちの表れだと思ってくれ
…じゃあ、いただきます
どうだ、美味いか？
ああ
だろう！？
ここのホットドッグは最高だ！
このなんともいえないジャンクな味わい…
健康に悪そうな濃ゆ～いソース！！
ああ、実にたまらん！
ん？どうした
いや…こんなところに
王様がひとりで来ていいのか？って思ってさ
よくないだろうな！
なにせ仕事を残してきている！
本当によくないやつだ
だが、新入生を気遣うのも
学長として大切な仕事だからな
で、学園生活はどうだ？
青春は謳歌できているか？
青春？
経緯はともあれ、
せっかく学園に通うことになったんだ
ひとりの学生として、学園生活を楽しんで
青春を謳歌する権利がお前にはある
学長として俺は
お前の青春を心から応援しているぞ！
はあ…
…っと、もうこんな時間か！
さすがに帰らないとまた義兄さんに
ネチネチ言われかねん！それじゃあな！
もう食べ終わったのかよ！？
早すぎだろ…
…変な王様