７年前
…『武器』ってなに、ブライアン
…ブッ殺すことが出来る道具、じゃあねえの
母さん、さいごに言ったんだ
「貴方の武器を見つけて」って
ブライアンのところになら
いっぱいあるんだよね、武器
…おめえが使えるモンなんざねえよ
オレを傭兵団に入れてほしいんだ
はァ？おめえら兄妹の衣食住だけじゃなく
命まで預かんなきゃなんねえなんざ御免だね
最初は掃除係や食事係でもいいよ
傭兵団で鍛えてもらって…
武器の扱いが一人前になって
そんで、このコートが似合うくらいになったらさ
父さんを探しに行くんだ
…おめえらの親父──ブルーノの姿は
一般には知らされてねえ
なんだよ急に。知ってるよ…！
誰が妖精を守ってたか、秘密だったってことだろ
だがログレスの──
円卓の騎士の上のヤツらは知ってるはずだ
おめえが金コート着てちょろちょろ戦場出りゃ
妖精殺しと繋がってるヤツとしてすぐ捕まる
…だからさ、目立つだろ
あ？
母さんはこのコートを縫いながら言ってた
「父さんは誉れ高き円卓の騎士なの
いつでも私たちを見守ってくれている」
それ、俺が証明してみせるよ
…お前が目立てば
親父さんのほうから来てくれるってか
もしくは円卓の騎士が迎えに来てくれるかもね
………小せえな
え…？
まだ小せえっつってんだよ
憧れてんなら喚き散らせ
「俺はここだ！」ってよ
…！どういう、こと…？
やるなら徹底的にだ
嫌がらせかってぐらい派手に目立ってやれ
おめえが一人前になったら
俺の傭兵団を預けてやる
今はメンドくせえから『名もなき傭兵団』だが
おめえが団長になったアカツキには──
………おかえり
母ちゃんに
おやすみ言えたか？
うん
でも不思議なの
不思議？
お母さんの好きなお花を
お供えしようとしたら、もうひとつあったの
同じお花があったの