兄さん、足速いよお
- 日が暮れるよ
- （ディナタンの手を取る）
日が暮れるよ。急がないとさ
わかってるけど…もお
そーゆーこっちゃないのよ、ノワール
早く着かないと夜道が危ない、って
心配してくれてるのはわかるんですけどね…
ディナタン、ほら
はっ、恥ずかしいよ兄さん
子供じゃないんだから…！
少しゆっくり行こうか
………うん。兄さん
いいお兄さんね
そうなんです！
自慢じゃありませんが！！
ウワア
傭兵してると色々とアブナイことが多いんです
兄さんはそういうのに目を光らせてくれて…！
戦いのときも、そうでないときも
悪いひとが近寄ってこないか見張ってくれていて
妹離れ出来てないだけじゃないの？
ああ！それからお裁縫！
兄さんはお裁縫が得意なんですこのナリで！
コートは自分で繕っちゃうし！
こんなリボンも作れちゃうんです！このナリで！
あっ、自慢じゃありませんが！
裁縫趣味の男の子がいてもいいと思うわ
ちょっと見習いたいかも
- 教えるよ、ギネヴィア
- 「このナリ」ってどういうことだ
教えるよ、ギネヴィア
ちょーどよかったっ
あのね、お気に入りのパジャマがほつれちゃって
買い直したほうが良くないか？
そーゆーこっちゃないのよ、兄さん
にっしっし♪今度部屋来てよ
パジャマ…直して欲しいな
「このナリ」ってどういうことだ
兄さんっていつも同じ服で
オシャレとか興味なさそうじゃない
物持ちがいい
と言ってほしいなあ
せっかく、かっこいいのに
なんでも大切にする感じはするかも
そうなんです
このナリで
あれっ…ってことはディナタンのそのリボン
ノワールの手作りなの？
毎日洗って、毎晩一緒に寝て
毎朝挨拶して、毎日つけてます
それはイタいわね
凄まじい家族愛ね
兄さんは凄まじいんです！
いえディナタン、あなたがよ
えっ、ええっ、私！？
そうでしょうか～、え～、そうでしょうか～…？
ディナタン
わたしも自慢をひとつ
なに、この流れ
わたしの友達がね
パパを弔ってくれたの
いいお兄さんよね
…そうなんです
自慢の兄です
オイ
自慢のオニーサン
グラストンベリー着いたら
茶、しばかねえ？
ま、マルディサント…！？
だめー！兄さんは私と──
キメえな違えよキメえな
マルディサント
ほんと、そういう言いかた良くないよ！
茶はアタシとじゃなくて
モルガンせんせと
ひっぱりだこね
一息、いかが？