本当に…お父さん、なの
- 生きてたんだね
- さがしてたんだよ
- 本当に父さんなのか？
父さん！
生きて…生きてたんだね
ランスロットのおかげでな
良かった…
本当に良かった…！
さがしてたんだよ、父さん
父さんが死んだなんて信じられなくて
俺もディナタンも
…心配かけたな
その仮面…
本当に父さんなのか？
今さら父親ヅラするのは
赦してもらえないかもしれないが
信じてくれ、ノワール
母さんのお墓の花…
いつも、本当に…ずっと近くに…
…俺は、咎人だ
公衆の面前に姿をさらすことは赦されていない
…円卓の騎士ブルーノは
なんらかの咎で粛清されたと伺ったけど？
…俺が、ＧＳをしたんだ
…逃亡のさなか
それでもカレドニアを止めたかった
家族がブライアンの下で守られ、育つまでは
…私たちがブライアンさんのところにいることも
全部知ってて…
…咎人の家族として
巻き込みたくはなかった…？
師匠は…ライエンス率いるカレドニアの軍勢を
単身で幾度も食い止め──
俺が見つけた頃にはもう
ボロボロに、衰えて…
ＧＳを行い、戦い続けること
俗世に姿を現さないことを禊とした
公には、粛清という形で…？
アーサーとケイが
なんらかの咎人として便宜を図ってくれたと
今までも、これからもずっと
隠れて戦い続けるつもりで
…ああ
まあ…表に出せない咎なんて幾らでもあるしね
私闘、不貞、背教、略奪…とかとか
（…円卓の騎士ブルーノが
妖精の守護者だったこと自体世間は知らない）
（だからそのブルーノが咎人とされても
妖精とは結び付かない…）
（…妖精殺し＝円卓の騎士ブルーノというコトは
アーサーとケイしか知らない大罪…）
（なぜ殺したか、その真実は頑なに語らない…
ずっと…ランスロットも。どうして──…？）
…死んだはずの者が姿を見せるわけにはいかない
咎に巻き込むわけにもいかなかった
キャメロットで平和にお祭りができてたのも
ノワールが学園で勉強を続けられたのも…
…お父さんが、カレドニアを
押し留めてくれていたから…？
だが、どうしても一目会わせたかった
それこそが責任だと思った
だからお前たちに知って欲しかったんだ
円卓の騎士がなすべきことを
そしてギネヴィア殿下と知った
バルバロイによって失われる思い出があることを
ディナタンとともに知った
ＧＳへ至る道のり、そしてその力と覚悟を
…うん、ＧＳのことがわからなかったら
わけがわからなかった…きっと
- あんたが守ってくれたんだ
- 赦さない
- 一緒に暮らせないのか？
あんたが守ってくれたんだ
父さんを
ノワール…
ありがとう
赦さない
兄さん…
絶対に赦さないからな
真実を伝えずに抱え込むなんて
ふたりにはこれからずっと
俺とディナタンの
そばにいてもらう
一緒に暮らすことはできないのか？
誰の目に触れることもできない
王との約束であるとともに
己の禊でもある
…もう、会えないの？父さん
こうして会うために
この姿を選んだ
必ず助ける
ずっと見守っている
…正直言って
今はまだ気持ちの整理がついていない
…ああ
けど…
母さんはこのコートを縫いながら言ってた
「父さんは誉れ高き円卓の騎士なの
いつでも私たちを見守ってくれている」
それ、俺が証明してみせるよ
…お前が目立てば
親父さんのほうから来てくれるってか
もしくは円卓の騎士が迎えに来てくれるかもね
だけど父さんに会えた
ランスロットが逢わせてくれた
ああ…
信じて、いいんだよな