お別れくらい
言って欲しかったな
フィエナ…
8年ぶりだね
さびしかったんだから
突然いなくなって
いきなり帰って来るなんて礼儀知らず
また遊んでくれなきゃ、やだよ
遠路はるばるよくぞ参られた
赤き竜の国の王とその騎士たちよ
ご無沙汰しております、ペレス王
さっそくですがお願いがあります
我らは今、カレドニア軍…
いえ、バルバロイとの戦いを続けています
キャメロット騎士学術院を設立し
バイブスとキラーズを教育してはいるものの
バルバロイの勢力の増す速度は
我々の想像を上回っています
このブリテンに住む者
世界に生きるすべての人間たちのためにも
我ら円卓の騎士が本懐を
遂げる時が来ました
聖杯探索と
継承者によるバルバロイの根絶が必要です
そのために聖杯の手がかりが欲しい
…そう申すのであろう
はい
８年前のあの事件以来
あなたが我が国を良く思って
いらっしゃらないことは存じています
それでも今は
我らに力をお貸しいただきたい
頼みます
…8年前の事件、とは？
…海の向こうの大帝国とは
なんら関係のない事情だ
銀卓だ円卓だと
卓上の軋轢に興味はないが
余は学園生活を愉しんでいる
それを妨げる障害は排除したい。関係は大アリだ
ペレス王よ。ブリテンの住人のひとりとして
進言させてもらうが
今は８年も前の事件に
こだわっている状況ではないのではないか？
それにだ。病床の貴様のために薬を運び
ウォールの維持にも一役買ったのは誰だ？
る、る、ルーシャス
海の向こうの大帝国では
こんな僻地の城主の御機嫌など無関係でね
え、円卓の騎士たちが
ペレス王のお薬の採取を手伝ってくれました
よくぞ申した！どうだ鉄面皮が屈したぞ！
屈辱か？エェ？屈辱か？ンン？
～～っ！
………礼を、言う
円卓の騎士…っ
…このコルベニック城は
『聖杯城』とも呼ばれておる
湖の妖精が住み
聖杯を祀るという言い伝えによるものだが
…湖の妖精は去った
おじい様…
湖の妖精が消えし今
聖杯の行方を知ることはできぬのだ
そんな…
だが、手がかりくらいは残っておるやもしれぬ
ノワールよ
そなたたちが妖精ニニアンと過ごしていた湖
あの場所こそが
湖の妖精たちが集う場だった
行ってみるといい
儂が教えてやれるのはそこまでだ
あ…ありがとうございます！
ペレス王。本日のディナーは
昨日よりはマシなものが出せるのであろうな？
ルーーーシャス…！
他人の帰郷話ほど退屈なものはない
しかも２度目だ、２度目だぞ？余は城に残る
まぁ護衛の兵士くらいは
何人かつけてやろう
では、ゆっくりしてくるといい