き、「騎士様…こんな危険を賭してまで」ヒュッ
「どうして私なんかを助けてくださるのですか」
お「臆病で…けれどみんなを助けたいと」えと
あー「望みばかりが果てしない、欲張りな私を」
このヘタクソがッッ！！
ひゃあああ！？
マァル！！
前時代的演出家ヤメて～っ！！
やってるかー？
やってねえよ！！
テメエらは粗末な出店でB級グルメ作ってろ！！
ええ～？
店の飾り付けだって大変なんだよー？
差し入れ持ってきたぜ
ノワール、エレイン
ご飯ですか…！
ヘタクソに食わせるメシはねえよ！！
俺は…
代役も同罪だボケ！！
ファイトー！
ノワール、エレインー！
いいか！テメーみたいに何者でもねーヤツが
いきなり大舞台で喝采浴びられるわけねえんだ！
いただきま～す
お先に～
ああああ、ご飯………
付け焼き刃でうまくいくほど甘くねえぞ！
わかってんのか！？あ！？
やってる～？
やってます！！
どうぞどうぞどうぞ！！
お構いなく～、続けて続けて～♪
あ、ジャンクフードだあ差し入れ？？
食べます？
食べる食べる～
やってますか？
お兄ちゃ──
やり合ってる最中だよ！
テメ―は運営で多忙だろ、帰れ！！
ラヴェイン、ゴハン食べる？
美味しそうですね
ではお言葉に甘えていただきましょうか
お、俺たちのゴハンが…
観客は誰も見たことねーモンが見てえんだ
てめーごとき素人が演技でンなモン見せられねえ
そ、そうです、よね…
でも…見せたい、楽しんでもらいたい…
いったん諦めろ
へっっ…！？
それでも立ち向かいてえモノが
テメエには…テメエにだけはあんじゃねえの？
ありますね、エレインには
なんの…ハナシ？
青春～
え？え？えぇ？
客が物語の虚構を信じるためには
登場人物本人の真なる部分ってのが必要なんだ
みっともない部分とか、内側の──
そーゆーのがさ
そーゆー誰も見たことねーモノを
抱えながら全力でやれ
そうすりゃ身内のお情け程度の拍手は
もらえるんじゃねーの
………身内のひとにこそ、です