…奢らせてくんねーか、ラヴェイン
…そういうのは止めましょう、ガウェイン君
スノードンで
俺らが助けに入れたのは…
ラヴェインが道を拓いたからだ
あんたがいなかったらと思うとゾッとするぜ…
あんたの強さ
円卓の騎士になってたって不思議じゃねえ
ああ…お断りしたのです。随分前に
大変申し訳ないことでしたが
誘いがあったのか…！？
どうして断ったんだ？
エレインが
ああならないようにです
…まあ事情は色々、語るのはおいおい
機会があれば…としたいのですが──
誰かが救いを求める声よりも家族を最優先します
わがままなんですよ私は。幻滅でしょう？
ノワール君。貴方のような救世主にはなれない
そしてガウェイン君のような忠義者でもない
…忠義者、俺が…？
アーサー王に忠を誓いながら
恩師ヴェルナルス大将軍との対峙を恐れている
だ、誰が、誰が恐れてるってんだよ…！
俺は別に師匠なんかなァッ…！！
私なら怖くてその場から離れてしまいますよ
誓いなど放り、恩師との対話など避けて
ガウェイン君は一度として
そんな素振りを見せましたか、ノワール君？
- 何度も立ち向かっていた
- 及び腰になっていた
- さっきの話だが、俺も奢ろうか
何度も立ち向かっていたよ、ガウェインは
そう。正面から、一度として退くことなく
真っすぐに立ち向かっていました
主への忠義と、師への忠義
どちらにもぶつかっていっていました
及び腰になっていたことも
あったかな…
ノワール酷ぇぞ！！
そりゃちょっと
オチることくらいあるけどよぉ………
さっきの話だが
俺にも奢らせてくれ
いつの話をしているんですか
戦場においてはお互い様ですよ
俺の話題、そんなにキョーミねえ…？
…師匠はさ、俺らのことなんか
眼中にねーんだよ
喧嘩ってのは相手もコッチ向いてねえと
ちゃんと成立しねーんだって…わかったぜ
暗いカオすんなよ、ガウェイン
お互いサマだろ、ラグネル
ガウェインが言ったんだよ
「あたしの好きにしていい」って
だからあたし、ずっと考えてた
でもね、答え出ないんだ
出る考えと言ったら逃げ腰なものばっかり
…俺もだよ、なっさけねえ
タンカ切ったくせに何度喧嘩の機会逃してんだろ
ガウェイン君、ラグネルさん
私が見ているかぎり貴方たちとその師には──
断ち切れない憧れがある
切っても切れない縁がある
ならばそれは手繰り寄せられるはず
貴方たちにはその姿勢がある、覚悟がある
日向に居続ける選択をした円卓の騎士ならば
ゆえに逃げ腰になっているのは
ヴェルナルス将軍です
し、師匠が、逃げてる…？
なぜかわかりますか？
………ちょっと
咀嚼する時間が欲しいね…
そしゃく？
噛み砕いて消化すること
メシ食わねーと
正解わかんねえってことか
…合ってるんじゃない？ある意味
ノワール君、私から貴方に
折り入ってご相談が
…妹を、救ってくれませんか