姉上
ガラハッドたちは今どこへ向かって？
クイズ！
どこでしょうっ？
姉上ぇ？
私はあくまで妖精の受け皿だから
聖杯の場所もぼんやりとしかわからないの
ブリテンという空間に生じる僅かな歪み…
それをおぼろげに感じ取れるだけ
湖に石を落としてできる波紋が
水面に浮かんだ異物によってかたちを変える…
その変化を探知する…みたいな感じかなっ
- 異物の場所が聖杯の所在地か
- …すごいな、フィエナは
その異物のある場所が
聖杯の所在地だってわけか？
うん、そう
波紋の反応が早くやってきてるから
目的地は近づいてきてるはず
頼もしいことだな
驚きだ
フィエナにこんな力があったなんて
…すごいな、フィエナは
そうだろう！すごいだろう姉上は！！
もっと言ってもっと褒めて～
姉上がこの力を発揮するのを見るのは初めてだ
詳しくは知らなかったが…
どうだ！すごいぞ姉上は！！
ただ、ちょっと気になることもあって
ノワールがＧＳを果たした瞬間
ブリテンで聖杯が顕現するのを感じたの
継承者の覚醒とともに
聖杯が現れたと？
だけど今はその場所がちゃんと特定できないの
異物感が何か所にも分散しているような感じ
とすると俺たちが今向かっている場所は
聖杯が
わああ！！だぁって初めてなんだもん！
聖杯探すとかフツーの人しないでしょお！？
- すごく助かってる
- 泣かせるなよ、ランスロット
フィエナのおかげですごく助かってるよ
ありがとう
そ、そう？
そうだ
姉上の助けなしでは聖杯のもとへ行けない
泣かせるなよ、ランスロット…
責めたつもりはないが…
そうとられてしまったのなら謝る
すまない、フィエナ
たしかに聖杯を探すなどめったにない経験だ
フィエナちゃんなりに頑張ってるんだからッ！
妖精がいればもっと正確にわかるかもだけども！
姉上…ガラハッドはまだ納得し切れていません
が、ガラハッド…！
あなたも私のガイドが不満なの～？
妖精は誰が殺したのです？
！
それ、は…
ガラハッドはそれが知りたい
世の混乱を避けるために秘匿された話だとしても
銀卓騎士団は聞かされてきた話のはず
我らの結成は『妖精殺し』がキッカケなのだから
お爺様も銀卓の皆もその代わりになるべく集った
………ああ、そうだな
けど、だけど！
『妖精殺し』が誰か…思い、出せない
…
どうして妖精が殺される必要があった？
『妖精殺し』の弟子とその息子が負う責は？
ガラハッド、もういいでしょ…？
きっと彼らも──
妖精が生きていれば
姉上が戦場に駆り出されることもなかったはずだ
『妖精殺し』がいなければ
聖杯はすぐ見つかって、バルバロイも根絶出来て
…コルベニック城が落ちることも
なかったんだ…！
- 誰がバルバロイの手引きをした？
- 俺たちの力不足だ
誰がバルバロイの手引きをしたんだ？
ライエンス王だ
身も心もバルバロイの化け物になっていた
なんだと？
俺たちが倒し切れていなかったということか？
最強騎士がそんなヘマをするとは思っていない
恐らくはライエンスの遺体を蘇生した者がいる
俺たちが力不足なばかりに…すまない
うぬぼれるな
お前たちの強さはわかっているつもりだ
原因はむしろ
ガラハッドたちにあるのかもしれない…
もうガラハッドに帰る故郷はない
ガラハッドが銀卓騎士として
どうすればよかったのか、それもわからない
…
あんたの口から
本当のことが聞きたくて
家族で卓を囲める
それだけの日常に帰りたくて
あんたを追って
ここまで来たんだ…！！