助けを求めたら…？
どうせ誰も来ないけど
『最強騎士』は
助けなど求めない！
あなたは、『ランスロット』になりたいの？
な、なぜ？
幼き『ランスロット』は
かつては『ガラハッド』だった
僕にガラハッドの名が与えられたのは
『ランスロット』たれというお爺様の願いのはず
お爺様に誇れる僕へと辿り着く
それがガラハッドの──
さみしいねぇ、ガラハッドぉ…
あなたは勘当されたのよ…
『お爺様』はあなたを見限った、捨てたのよ…
いつまでも『ランスロット』になれない者は
『ガラハッド』でもいられないよ…？
お前にわかるものか！！
せっかく『ガラハッド』を名付けたのに期待外れ
代わりにもっと輝かしい才能の持ち主が現れた…
だから『お爺様』はあなたをポイ…
『ランスロット』みたいな騎士がほかにいるから
…！
それは誰だろうね…ガラハッドぉ？
………ノワール
傷は、ガラハッド
…いっぱい、している
そう…継承者ノワールがあなたを傷つけたの…
あなたの目指すべきゴールを奪ったのよ…？
あなたは名前も存在も
ランスロットのお古しか与えられないのに
黙れッッ！！
- 『お古』のなにが悪い
- ランスロットと選んだ道だ
…『お古』の、なにが悪いんだ？
………ノワール？
誰かの手から手へ渡されるものの
なにを馬鹿にできるんだ？
俺の育ての父が傭兵団を譲ってくれた
産みの父が名前を譲ってくれた
ランスロットを奪ったわけじゃない
ふたりで選んだ道でしかない
ガラハッドの焦燥はひとえに
そのせいでしょう…？
手の届かないゴールへの勝手な独占欲
気持ち悪いエゴ、醜くって…イイと思うよ？
俺の育ての父が傭兵団を譲ってくれた
産みの父が名前を譲ってくれた
ペレス王がキミにガラハッドと名付けたのだって
絶対に何か願いがあってのことなんだ
その名が似合うように
なってほしいと
………ノワール
お前は継承者なのだな
それは与えられた名前──資格なのだろうが
名実ともに『引き継ぐ者』として…
お前は歩み続けているのだな、自分の道を
ガラハッドぉ～っっ！！
よかった…！無事でよかった…！！
黙っていなくならないでよ～っ！
ご、ごめんなさい…姉上…
お引き取り願えませんか…？
聖杯も、希望も…諦めてしまって
円卓に聖杯をあげさせはしません…！
代償伴う奇跡を求むるなら──
『マターヤ』…
──
銀卓、騎士…！
──銀卓騎士団が一の脚
マターヤとそのキラーズ・ロンギヌスが留めます
…姉上、叱ってください
ガラハッドは姉上を…
ガラハッド、あなたこの前
「どこへ向かえばいいか」って聞いたよね！
だったら謝りに行こうよっ！
まずはノワールにごめんなさいしてっ
あと、迷惑かけた皆に！信じてくれた人らに！
お姉さんがちゃんと…ついてくから！
…はいっ
──卓に祈りを
この身に聖なる祝福を
フィエナ──
因枢分解・カリス！
銀卓騎士団が四の脚
ガラハッドとキラーズ・カリスが皆を留めるよ
──
…マターヤ、悲しんでる気がする
マターヤはガラハッドに親切にしてくれた
剣技の師匠だ
な、ならなら、ティートンたちと一緒に
継承者と戦いましょう、可愛がってあげますよ…
教えてもらったのは聖杯を守るための剣技だ
聖杯を穢すための剣技じゃない
…強いんですね
そうすぐに…強くはなれないよ
だったら
それを求めて学園に来たんだ
勉強はまだ足りてない
ガラハッド…
すまない、ノワール
どうやらガラハッドは──
出過ぎた真似をしたようだ