音が粒だっているわ
そうかな
なにか心境の変化があった？
悪いほうか…あるいは──
…どちらにせよ
キミたちにタダで聞かせる曲はないよ
………ガラハッドは
聞かせたいことがあってきたんだ
興味ないなあ
トリスタン
お前の言う通りだったかもしれない
『家族』という言葉は恐らく
万能な言葉でも、解決手段でもない
そうだね、そう思うよ
だからガラハッドは家族を学ぶ
必要ならば償わせる
誤った道を歩んでいるのなら引き留める
ガラハッド自身が未熟なのだとすれば
学び直して改める
まだ家族を信じ続けるんだ
ずいぶんと辛抱強いね
家族の今が
信じるに値するかはわからずとも──
家族と呼び合えた…その過去は本物だ
昔の思い出だけは
変えようもない絆だから
………勝手にすれば。頑張って
トリスタン…もうガラハッドを
目の敵にしなくてもいいんじゃないのか
ボクはローマを見通し切れなかったんだよ
ノワール
キミの本質さえいまだにわかりそうにない
見誤ることはもう許されないんだよ
ボク自身、自分を許すことはできないね
………トリスタン
…だから
疑い続けようっていうのね
他者も、自分自身さえも
そうすれば少なくとも
裏切られた気持ちにはならないさ
………じゃあどうして
ガラハッドの独走を許したんだ
見逃すようなミスはしないだろう？
見事なスピードで飛び出したから
捕らえきれなかったのかしら？
…ガラハッドを、信じてくれたのか？
まさか
試してみただけだよ
試した結果は？
信頼性ゼロ
ええっ！？
結局ひとりでは何もできず
円卓の騎士の手を借りてやっとの帰還
大騒ぎしたにもかかわらず
聖杯を見つけてくることもできず
またも不穏分子ふたりも連れ帰って
心労は増えるばかりだ、頭痛は続くよ
暇しなくっていいわね
けど、まぁ
…「昔の思い出だけは変えようもない」
って本音は…信じたい言葉かな。少し
そう、だろう？
信じたほうが
楽になれそうだ
じゃあこれから監視は──
続けるさ
やめるわけないでしょ
なっ！？もういいだろう！
ガラハッドは潔白だ！
お前、わかってないわね
だからこそでしょう？
信じた相手が本当に
頼れるヤツなのかどうか
見届けないと
心配で夜も眠れないわね
遠くから応援してるわ
距離が近いスキンシップは遠慮したいの
その背中
見守っててあげるよ