お別れは告げたのかしら、ご老人？
そなたこそ
妹たちを喪った涙はないのか
わざわざ継承者らを
ガラハッドのもとへ導くような真似までして
魔女姉妹──バルバロイはいわば群体
個々の意志なぞ希薄、幻のようなものよ
『魔王』のため『楽園』への道を拓くためなら
自ら身を投じることを辞さないの
そういう意味ではご老人？
人の身でその覚悟、その自己犠牲には
見上げたものがあるわ…銀卓騎士団の諸君もね
いずれひとつとなる身
これは別離ではない
銀卓騎士が3脚
マターヤ、アダン、オーウェン…
その身が深く傷つけば傷つくほど
我ら姉妹との結合はより深く、強固となる
卓の傷…その溝に汚れがこびりつき取れぬように
抉れば抉るほどもとの形を保てぬように
もはや銀卓騎士たちの彼我の境界は失われ
物言わぬバルバロイの傀儡と化していく
もちろん、鍛え抜かれた力はそのままにね
ガラハッドたちは間接的にとはいえ
仲間の自我を殺した…もう取り返しはつかなァい
………円卓に聖杯をあげては、ならぬ
銀卓騎士団が果たすべき
…最期の、務め、だ
穢れし血を絶やして救え………
…淀みの底へとすがってみせるわ
物言わぬ捨て石になろうと
聖杯を穢し、継承者とその劔を
家庭へ迎え入れ、そして──
──アーサーを、殺せ
勘当した子たちの処遇は？
フィエナもガラハッドも
もはや我らの道の上にはない
帰って来ても居場所はない
合わせる顔もひとつとしてない
置き去るのみよ
いくら、駄々をこねようとな