『親』というのは
どういう存在なんだ？
え…？
最近よく思い出す
師匠とお前と
剣の稽古をしていた頃を
お前の母も優しくて
食事もともにした
そんな暖かい日々を思い出す
- 俺にとってはあんたも家族だ
- 確か、あんたの親御さんは…
- フィエナもたまに混ざっていたな
俺にとってはあんたも家族だ
…随分と、紆余曲折のある家族だな
だから会いに来たんだよ
紆余曲折を経て
確か、ランスロットの親御さんは…
俺は生まれて間もなく
コルベニック城に預けられた
両親の顔はおろか
その存在すら知らない
フィエナもときどき混ざっていたな
湖から上がって来てビシャビシャのままな
はじめて見たときは父さんも大騒ぎだったよな
溺れたのか！？迷子か！？って
今になって思えば『巫女』の儀式だったんだな
そのおかげで助けられている
親…「親がどういうものか」…か
うまく言えないけど
あんたの幼名が『ガラハッド』だった
っていうのは本当か？
…ああ。名前を改めたんだ
お前が物心つく少し前にな
故郷も親もない自分とは何か別の
ただ、ただ強く生きられる自分を…ねだった
「ねだった」ぁ？
駄々っ子だったんだよ。
欲しがりで、癇癪を起こして、頑固で…
そのうち
師匠が名前をくれたんだ
………だったら、父さんはさ
名付け
………師匠が、俺の──
育ての父だ
…父
父か
まあ、あんたが名付けられるより先に
俺が産まれたってことはだ…
俺のほうが兄ってことになるけど？
その
俺のほうが兄だが？
やるか
やろうか
………サイテー