綺麗だねえ
ガラハッドがさがしてたよ
「姉上がいない！」って
えっへへ、心配させちゃった
戻ろう
…バルバロイに呑まれちゃった人
ノワールは見たことある？
…？
あるよ…たくさんね
幸せなのかな。それって
- そんなわけないだろ
- 望んでそうなった人がいるなら
- ほかの人を襲うなんて許されない
そんなわけないだろ
記憶を喰われて、身体は弄ばれてるんだから
だよね
けど、人ならざる力を得る
…可能性がある、だろ
でもなにか達成したい目的があったとして
ほかに手段がないとしたら
あえてその道も選ぶ人も
いるのかな
バルバロイは人を襲う
その罪を負ってまで達成したい目的なんて…
だよね
…望んでそうなった人がいるなら
もしかしたら
いたの？
喜んでバルバロイを受け入れたわけじゃないけど
望んでいたわけでもないかもしれないが…
家族のためにそうなった人はいた…
育ての、父親が
幸せ………じゃなさそうだね
ノワールの顔を見ると
もっと生きていて欲しかったよ
ずっと…また一緒に
バルバロイは人を襲う
それは許されることではないよ
…うん
自分勝手だね
当人がそれで
仮に幸せだったとしても
償うべきだよね
銀卓騎士団は、呑まれちゃってた
キラーズにまで侵食は及んでないみたいだけど
バイブスをもつ騎士達はガラハッド以外みんな…
辺境の孤島で
ずっと寄り集まって生きて来たの
自らの役目を果たす以外に生きる世界がない
銀卓の矜持だけが彼らにとっての騎士道
その魂は高潔にして純粋
剣技は鍛え抜かれ最強騎士に届かんばかり
バルバロイや魔女にそそのかされたわけじゃない
敗れて侵されたとも考えづらい
…自ら進んでバルバロイを受け入れた？
そうまでして貫きたい矜持ってなんなんだ
「妖精を守ること」だ
本来であれば…銀卓の矜持は
もう、そんなのいないのにね
…
っていうのか…？
意味わかんないよね。私も…わかんない
バルバロイに身を喰わせてまですべきことなのか
だけど、私やガラハッドにとっては家族で
仲間でかけがえのない人たちで…
でも、ここから見る夜空も綺麗で
学園の人たちも優しくて…
ノワールもランスロットも強くって
あの頃からはとっても遠くに感じて…
だから私は…私が選ぶ道は──
…姉上？
体を冷やすといけない。帰ろう
………フィエナ？
ああ…
聖杯が。もう