………僕が『曇りなき玻璃の銀』であるものか
…ガラハッド
無事、帰って来たんですね
こんな僕が、甲冑しか磨けぬこんな僕がッ
誰の目にも止まらぬような僕が…
ペレス王に会ったのね
お爺様はガラハッドなど眼中になかった
その目に映っていたのは──
ノワールとランスロット…
最強騎士のふたり
なぜ、あのふたりなんだ…！
ガラハッドはいつお爺様の目に留まる！？
ペレス王はあなたを
逃してくれたじゃないですか
なぜお爺様は他の銀卓騎士と同じように
ガラハッドを使ってくださらなかった！？
…なら、ああなりたかったの？
同じようにバルバロイに侵されて
お、お爺様が望むのなら…！
滅多なことを言わないでください
本意だ！！
名も、存在も、お爺様が与えてくださった
甲冑も！銀色も！居場所も！すべてだ！！
お爺様が仰せだったのだ
ガラハッドは『曇りなき玻璃の銀』であると！
ガラハッドの道はお爺様が示してくださった！
お爺様の願いなら僕はなんでも聞く！なのに…！
フィエナが…望んでいません
あ、姉上も姉上だ！
僕の解らぬことを沢山隠している！
姉上だって僕のことなど、どうせ──
そうやってあなたは
いつまでもグズっていればいいわ
泣きつくなら姉君に
さようなら。ガラハッド
………僕は
グズってなどいない
そうだね
ただ
ただ？
姉上に泣きつきたいのは
…そうかもしれない
…おいで？
…お、お爺様が生きていたんです
亡くなったと思っていたのに、ね、ね、姉上ぇぇ
そうだね
やっと会えたんです…！なのに…！
僕のこと、僕のこと、見てもくれなくて…！！
うん
姉上も、聖杯を見つけたとき…なんだか
ガラハッドを置いてけぼりにしそうで…っ
大丈夫、ごめんね
大丈夫だから
おじい様はあなたを玻璃の銀と言った
あなただけを輝かしい銀と例えた
ガラハッドは、愛されているよ