正面突破と行こうか諸君
ローマ対策班は依然
きゃつら残党の対応に追われている
動けるのは俺たちだけか
少数精鋭で聖杯城へ向かい
ペレス王並びに銀卓騎士団との決着をつける
ギネヴィア殿下とマーリンの救出は
どうしたところでその後となるだろう
ハドリアヌス・ウォールがある以上
こっそり侵入して救出…ってのは無理だもんね
…嫌なことを尋ねるが
既に殺されている可能性は？
ギネヴィア殿下のキラーズであるギネマウアに
目立った変調が見られないことから…
希望的観測ではあるが
無事と考えて良いだろう
…マーリン様はわかんないよね
ふたりとも、きっと無事だ
その根拠は？
エクセリアやリリアーナと話してわかった
お爺様もアステラも迷いのなかにある
なにが最良の選択か決めかねているように思う
まるで決断をこちらに委ねてくれているような
なんの選択を委ねるというのだ…？
- 俺たちの進む道を
- 試されているのかもしれない
- ペレス王に残った良心か？
俺たちが生にすがるか…
死を受け入れるか…
生きようとするなら決着をつけなければならない
死をただ待つならばこのままでいればいいと
生きたいに決まってるじゃないか
ガラハッドやフィエナが
家族と訣別しなければならないとしても？
試されているのかもしれない
スノードンで終わらせることも
出来たはずだもんね
待っているのか
ノワールとランスロットの帰還と…
ガラハッドとフィエナの決断を
ペレス王に残った良心が
そうさせているのかもしれない
それこそ希望的観測というやつだな
…だが、僕は希望を信じる
ノワール
奴らは明らかにアーサーを狙っていたとも聞く
王自らの出陣は遠慮願いたい
なおさらだ
囮にでもなんでもなろう
アーサー…王として無謀な振る舞いは
どうか自重してくれないか
ギネヴィアとマーリンの命がかかっている
残り少ない俺の命で救えるのなら──
ならばこそ限られた生を
己のために使いたいとは思わないのか…！？
ケイ
バルバロイとの戦いもＧＳも
騎士たちの自己犠牲に頼る面が多すぎる
ゆえに貴公は自らの犠牲を顧みない
被害を己に集め、生徒の歩みを妨げさせない
王の血筋を継いだというだけで
弱き者を守るべく矢面に立ち続けた
多くの死を無駄にせぬよう
走り続けることを余儀なくされている
だがそれで貴公になにが残る
なにが返ってくる、アーサー…！
見返りを求めた命ではない
友が笑って過ごせる日々が
叶うのならばそれで良い
王として生きるのだ
尊重すべきは俺ではない
英雄の座は継承者に譲り…
最強の名はランスロットに輝き、それで貴公は…
俺が走った血路の先に
誰かの平和があればいい
本当の俺など、捨て置けるよ