来客よ。最後の
起きて、アーサー
私たちは家族で静かに暮らしたいだけなのにね
誰にも邪魔されず、甘い眠りの中で、永遠に
楽園で、ふたりきりで
アーサー………！
フフッ…
どうやってサラスへ至ったのかしら
本来サラスへ踏み込むことが出来るのは
妖精と聖杯が認めた者──継承者とその劔のみよ
…ガラハッドも妖精に認められた
ということなのだろう
だけどすべては手遅れよ
最強騎士
揺籃のときを経て
バルバロイの王はここに目覚めた
魔女が産み落とす
『魔王』として
アーサー内に眠る未成熟のバルバロイ因子は
つねに周囲のキラーズの力に晒され続けた
結果的に成長段階でキラーズへの強い耐性を得た
もう貴方たちの剣は通じないわ
…そのためにアーサーを
泳がせていたのか
成長し切る前に人として死んでしまわないか
ハラハラしていたものだけど…
「アーサーを守ってくれて、ありがとう」♪
モルガン………！！
継承者、貴方のＧＳがすべての引き金
貴方の選択が世界を滅ぼすの
魔王と魔女が世界を喰らい尽くす
卓も含めて神羅万象一切をね
…その歩みを止めに来た
腰が引けているわよ？ランスロット
王殺しを果たせなかった臆病者になにが出来るの
………波立たないようにして来たのは
ええ？
己の逃げ腰から
目を逸らすためだったのかもしれない
だが目の前の光景はどうだ
ガラハッドは慟哭とともに
俺たちの道を拓いてくれた
そしてその背を支えたノワールに
俺は師匠の面影を見た
父さんの…？
力もつ者ゆえ、その剣で誰かを導き続け
命あるかぎり誰かのために足掻き続けた
その蘇る面影を、ノワールに
ノワールとガラハッド
今度は俺がふたりを追い駆ける番だ
俺は──…お前たちのようになりたい
- 遅れるなよ、ランスロット
- ガラハッドのおかげだ
遅れるなよ、ランスロット
ノワール
後輩の目もあるしな
急がなくていいんだ
待ってるから、あんたがしてくれたように
ガラハッドのおかげだ
恐れ多いな、最強騎士！
その期待に応えられるよう
努力しなければならないな！
急がなくていいんだ
待ってるから、あんたがしてくれたように
ゆっくりでいい
一緒に行こう、ランスロット
…ありがとう、ノワール
世界の滅亡も、王への誓いも忘れて
逃げ去っていれば多少は命を長らえられるのに
誰とも血の繋がりを持たぬランスロット
貴方は誰にも縛られず生きられるはずなのに
血縁などなくとも
絆がほつれるときが来ても
もう逃げない
どれだけ不格好であろうと