1章/メイン/L0127_ランスロットED1

ずっと先の決闘

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【ランスロット】
卒業証書授与
ノワール殿
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【ランスロット】
キャメロット騎士学術院における
全過程を修了したことを証する
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【ノワール】
…もう?
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【ランスロット】
もうだ
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【ノワール】
早くないか?
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【ランスロット】
早くない
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【ノワール】
早いだろ
一年経ってないし
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【ランスロット】
たしかに、早いかもしれないが…
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【ランスロット】
──俺が手渡したかったんだ
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【ノワール】
………ありがとう。ランスロット
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【ランスロット】
…すまなかった。ノワール
今まで。本当に
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【ランスロット】
ありがとう
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【ノワール】
──この学園で
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【ノワール】
ようやくわかった気がするんだ
本当のことが
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【ノワール】
なぜ父さんや母さんが
俺に武器を手に入れさせたかったのか
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【ランスロット】
…どうしてだ?
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【ノワール】
ずっと考えてた
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【ノワール】
どうして妖精ニニアンは──父さんは…
俺を継承者にしたのか、って
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【ノワール】
断片的な記憶だけしか垣間見れなくて
はっきりとした結論が出ずにいた
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【ノワール】
でも、辿り着いてみれば
なんのことはない…普通の事情だった
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【ランスロット】
………自ら(ニニアン)の娘であるディナタンを
守ってもらいたかったからか…?
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【ノワール】
将来、聖域化に際しディナタンが犠牲になるのを
なんとしても防ぎたかったニニアンは──
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【ノワール】
近親者を継承者とし
ディナタンを守護してもらえるよう願った
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【ノワール】
父さんはその願いを叶えるべく聖杯を使うために
妖精殺しをしなければならなかった
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【ランスロット】
咎人の師匠ではディナタンの傍にはいられない…
だからノワールにその願いを託したと…?
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【ランスロット】
だが師匠がそこまでする必要があるか?
妖精のために咎を被ってまで──
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【ノワール】
父さんは
危惧していたのかもしれない
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【ノワール】
いずれ、妖精殺しの息子として追われ
ブライアンのもとに身を寄せた俺は…
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【ノワール】
必ずカレドニアとの軋轢に巻き込まれる
ディナタンとともにバルバロイに襲われる
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【ノワール】
ならば重い枷だとしても
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【ノワール】
ランスロットを追って
円卓の騎士を夢見続けた俺に…
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【ノワール】
生き抜く力を…騎士としての道を
敷いてくれたのかもしれない
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【ノワール】
………とんだ親バカだよな
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【ランスロット】
妖精ニニアンに継承者としての素養を
見出されていた可能性もある
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【ランスロット】
継承者としての運命を歩むかどうか
その選択はお前に委ねたわけだが
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【ランスロット】
「親が子を守りたい」と願う
本当に普通の…家庭事情だな
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【ノワール】
だけど、そのおかげで
俺はあんたに並ぶことができた
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【ノワール】
また──先に行ってしまうけど
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【ランスロット】
悔いはない
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【ノワール】
格好つけずに
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【ランスロット】
………
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【ランスロット】
少しだけ未練がある
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【ノワール】
未練?
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【ランスロット】
………決闘の勝敗が、まだだ
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【ノワール】
…勝ち逃げする気だと思っていたよ
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【ランスロット】
師匠が言ってたな
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【ランスロット】
金色のコート(イミテーション)は名乗りを経て
お前の本物(オリジナル)と成ったんだ」と
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【ランスロット】
「みな、お前が継いでくれるのを信じ
多くを託す」のだと
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【ランスロット】
ノワール
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【ランスロット】
………決闘だ。ノワール
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