ギネヴィアやランスロットの努力が実を結び
学園祭は予定通り開催されることとなった
各々が抱える悲しみや苦しみを一時忘れ
学園祭を満喫する生徒たち
ディナタンがステージで歌を披露すると
学園祭の盛り上がりは最高潮に達する
だが、二曲目を歌い始めた直後
ディナタンはその場で倒れてしまうのだった
ううん…
ディナタン！
ディーナ！
兄さん…マァル…
私…どうしたんだっけ…
ステージの途中で倒れたんだ
それからずっと眠ってて
そう…なんだ…
- 心配したよ
- マルディサントが泣いてた
心配したよ
ごめんね、兄さん…
私ってば
いつも兄さんに心配かけてばっかりだ
なに言ってるんだ。兄妹だろ、俺たち
妹は兄貴にいくらでも迷惑かけていいんだ
兄妹…うん、そうだよね
ありがとう、兄さん…
マルディサントなんて
ずっと泣いてた
なっ…テメェ！
勝手なこと言ってんじゃねえ！
マァル、目が赤い…
ぐっ…これはアレだよ！
さっきニンジン食べたからだよ！！
なあ、ディーナ
あんまり無茶すんなよ
よくわかんねえ場所に１ヶ月もいたんだろ？
体調が良いはずなんてねえんだって
アンタまでいなくなったらアタシは――
マァル…ごめんね…
…いや。アタシこそキラーズなんだから
アンタの変化に気づくべきだった
そんなことないよ
ありがとう…マァル
ディナタン、体調はどうだ？
うん、大丈夫
ちょっとぼんやりしてるだけ
イゾルデの診察では
疲れがたまってたんじゃないかって
………
ごめん、ディナタン
ずっと無理させてたな
なんで兄さんが謝るの？
兄さんのほうがずっと大変なのに
私にもこれくらい頑張らせてよ
私は兄さんのキラーズなんだから
ディナタン…
…もう。なにその顔
兄さんのほうが病気みたいだよ
外に出て気晴らしでもしてきたら？
私はもう大丈夫だし
…あぁ、そうするか
マルディサント
ディナタンのこと頼むよ
オニーサンに言われずとも