ノワール、お前を待っていた
無事だったのか、ランスロット！
ランス兄ちゃん…！
ディナタンも無事でなによりだ
ギネヴィアは！？
………
ねぇ、ランス兄ちゃん
どうしてパーシヴァルさんは――
…見たのか
お前も継承者の武器なら、わかるだろう
戦いとはああいうものだ
…そんな――…
じゃあ、ガウェインさんは？
アーサー様はどうしたの？
…ふたりは今ここにいない
俺にはお前たちに伝えることができない
我が王たちの行方を
どういう意味だ？
こういう意味だ
…ランスロット？
なんで、剣を…
てめえ…どういうつもりだ！
俺にはなにが正しいのかわからない
アーサーが言っていることも正しい
だがそのためには学園を
お前を滅ぼさねばならない
ランスロット…
なにを言ってるんだ？
あの日俺はお前たちを守ると誓った
それは偽りではない
しかし始まりから…聖杯を求めるところから
間違っていたのだとしたら
…そして聖杯はもうない
お前たちも見ただろう
ノワール、剣を抜け
俺たちは今この瞬間から敵だ
俺たちはアーサーにつく
ランスロット…！
本気、なのか…？
冗談で相手に剣を向けたことなどない
他の者の手にかけられるくらいなら
俺がお前を、継承者を消す
ランス兄ちゃん、やめて！
ディナタン、お前は
俺たちのどちらを選ぶんだ？
…そんなの
ノワールに決まっている、か？
そうだな。お前は継承者のキラーズだ
キラーズがマスターを裏切ることはない
違う。そういうことじゃない
選べないよ。だって…
兄さんも、ランス兄ちゃんも
大切な家族なんだから…！
家族か…
…ディナタン
本当は、気づいているんじゃないのか
私は…
マルディサント…
ディーナから離れやがれ！
確かに最強騎士に
ノワールとディナタンだけじゃ敵わねえかもな
だが…！
てめえが棄てた円卓の騎士はここにいる
ローマもそこに加わろう
なるほど…
ならばまとめて消してやろう
待ってくれ、ランスロット
俺はあんたと戦いたくない
俺だって戦いたくはない
だが戦わねばならない時が来ただけだ
俺とお前の選択が間違っていたから
間違っていたって――
無駄話はおしまいだ
俺は継承者とそのキラーズを殺す