キャメリアードで会ったギネマウアの言葉通り
ギネヴィアはひとりで学園に戻ってきた
しかし、身体はかなり衰弱しており
満足に話をする間もなく倒れてしまう
ギネヴィアを献身的に看病するディナタン
その甲斐もあって、ギネヴィアは回復していく
だが、動けるようになったギネヴィアは
ディナタンをアーサーのもとへ連れ去るのだった
ふたりがいなくなったって…！？
どういうことだ！
そんなのアタシが聞きてえよ！
ギネヴィアの奴…
- ギネヴィアが連れ去ったのか？
- 俺のせいだ
ギネヴィアが連れ去ったっていうのか！？
そんな、まさか…
ギネヴィアとふたりで病室にいたのは
間違いねえんだよ！
ディーナはずっとアイツの看病してて、
だからなんか差し入れしてやろうと思って
それでアタシがちょっと目を離したスキに…
気配が消えた…！
俺のせいだ
俺がディナタンから目を離したから…！
自分をあまり責めないでください
…これは誰も予想ができなかったことです
確かに…あのギネヴィアが
こんなにも大胆な行動に出るとはな
威勢がいいだけの仔猫と思っていたが
なにが彼女を変えたのであろうな
もと王妃サマもランスロットと同じく、
アーサーについたってことかぁ？
そう考えるのが妥当であろう
だが…アーサーの目的はいったいなんなのだ
全然わかんねえな
…やあね――
私が下っ端扱いで
連絡係をやらされるなんて
…魔女！？
聞いた？
もう大姉様もいないの
ぜーんぶ、あいつのせい
…あいつ…アーサーか！
そう、あいつ
でも私は生き延びるつもりだけど
頭を地に擦りつけて
這いつくばってでも
だから伝言にきたの
継承者と偉大なる魔女に
………！
魔女？
でしょう？ね、マーリン
…私は
自分は違うって？
あらァ、いいご身分！
でも本当に、絶対違うって言いきれる？
ほんとにほんとに？
………
妖精ってほんとに身勝手ねェ
人間に愛されるだけ愛されて
なのに自分は綺麗なままで死ぬなんて
なんだ…？
なにを言ってやがる！？
理解が遅いのね
王様になれないわけだわ
なんだと…！
簡単な話じゃない
アーサーは、あなたたちを捨てたの
そうでしょう？
湖の妖精さん
…マーリンさんが、湖の妖精…？
いったい、どういうことだ
でも捨てるのもわかるわよねえ
バルバロイが穢れているなんて失礼な話
ねえ、ローマはそう思うでしょ？
ここでローマを引き合いに出す
理由がわからんな
だってローマは知っているはずよ
穢れた血なんて本当は
為政者が作り出したものだと？
さすがローマの皇帝！
話が分かるわね
ログレスの王も同じことを思ってるのかもね
なにを…いったい
なにを言ってるんだ！？
これで無駄話はおしまい
懐かしいお城でギネヴィア嬢が
お待ちよ
継承者様と湖の妖精をね
もしかするとアーサーも一緒かも
さようなら
ログレスの人たち
…待て！
うん、待ってる
キャメリアード城でね
罠にしか思えないが
どうするのだ、継承者
どうもこうもねぇ
ぶっ潰すしかねえだろ
…ディーナ――…！