ノワール…
あなたは本当に自分の選択を後悔しないの？
大事な人を傷つけて、命を削って
それでも、あなたはいいっていうの？
俺は自分が選んだ道が
ディナタンを選んだことが間違いだとは思わない
そう、やっぱり相容れないわね
ＧＳなんて間違ってる
大切な人を武器にするなんて
間違ってる
一度は武器になろうと思ったわたしだから
そう言える…！
けど…ＧＳして、キラーズの力を得たから
俺たちはバルバロイと戦うことができた
たくさんの人を救えたじゃないか
それも間違っているっていうのか！？
それは…
たしかにアンタの言う通りかもしれねぇ
人間を武器にするなんてどうかしてる
けどアタシは
ディーナの武器になったことを後悔してねぇ
ディーナとＧＳしてなかったら、アタシは
とっくに病気でくたばってたかもしれねぇ
なにより武器になると決めたのはアタシだ！
それをアンタにとやかく言われる筋合いはねぇ！
アンタの姉ちゃんだって、
アンタのためにこの道を選んだろうが！
…！
そんなの…そんなのわかってるわよ！
だからおかしいって言ってるんじゃない！！
わたしを生かすためにお姉ちゃんは
その道を選ぶしかなかった
わたしはお姉ちゃんに甘えた
だって、死にたくなかったから…
殿下…
でも…誰かのために武器として生きるなんて
そんなの、やっぱり、おかしい
武器になってさんざん命を削られて
死んだらその人が生きた記憶さえ消えるなんて
わたしのこと、誰より大切に思ってくれた人が
わたしのせいで世界中から忘れられちゃうなんて
………！
そんなの――わたしは、耐えられないの！
ディナタン…！
やっぱりダメ…！
…ぐっ――
兄さんはキズつけさせない
兄さんのことは、私が守る…！
…あなた、まだ兄さんなんて呼ぶの？
…！
なんの話だ？
…兄さん、だよ
…たとえ血が繋がっていなくても
兄さんは兄さんのまま…
…兄さんのままなんだから…
…ディーナ！
…ディナタン――…
そうか、そうね…
わたしの負け――かあ
…ギネヴィア
本当は、ＧＳなんて関係なくて
思いの強さだけが大切だったのかもしれない
わたしは思いの強さで負けたのね
ノワール、ディナタン
みんなごめんなさい
でもわたしにはもう
この道しか選べなかった
わたし、どこで間違っちゃったのかな
多分、間違っちゃったんだよね
誰が間違ってるのかなんて
もうわからないけど――…
…ギネヴィアさん…私――…
わたし、ディナタンの歌が本当に好きだった
だから歌が消えないといいなって
ＧＳが進んだら
歌も消えてしまうんじゃないかって
泣かないで、ディナタン
でもよかったよね、きっと
ふたりが兄妹じゃなくて
…なにを言って――…
ごめんね、ノワール
ずっと楽しかったね
また会おうね
また会ったら次は――…
ギネヴィア！！