あんたがディーナを選ばなきゃ
ディーナはあんたの妹でいられた…！
継承者の劔になんかならなきゃ──
誰かがすべきことなんだよ。マァル
ディーナじゃなくたって
いいじゃねえか！！
- ディナタンが選んでくれた
- 俺がディナタンに戦いを強制した
…ディナタンが選んでくれたんだ
この道を
………兄さん
最低だぜ、あんた
土壇場で責任逃れかよ
あんたの意志はどこいっちまったんだよ！
俺がディナタンに戦いを強制した
マルディサントの言う通り──
継承者の劔になんてさせなければ
ディナタンをこんな目に遭わせないで済んだ
そーだよ
あんたがディーナを連れていっちまった…！！
あんたは家族を守るんじゃなく戦いの手段にした
自分勝手な想いで、クソみてえな独占欲で
…私が応えたんだよ。マァル
ディーナ…！
もう、置いていかないと決めたんだ
兄さんを責めてどうするの
私たちを止めてどうするの
それで
なにか良くなるの
ディーナが
…私が？
………ディーナが、消えちまうよぉ
消えないよ
ディーナはこんなことしたくねえんじゃねえのか
キモチ押し殺して、やってきたんじゃねえのか
このまま本当のディーナが
消えちまう気がすんだよ、こわいんだよぉ…！！
マァル………
ディーナの気持ちを…聞かせてくれよ
…私、兄さんが好き
だから私、兄さんと私が
本当の兄妹じゃなくてよかったって
ちょっとだけ思ってたの
兄さんが兄さんじゃないなら
私がこんなふうに兄さんを好きでも
許してもらえるのかなって
大好きだよ、兄さん
兄妹としてじゃなくて
……俺は
答えはいらないの
伝えたかっただけだから
だって私は兄さんの…
継承者の武器になったんだもの
この気持ちがあってもなくても
それは間違いない
だから…ね、マァル
ディーナ…
ごめんね、マァル
――ありがとう
…………う、わああああん…！
泣かないでマァル…私…
うぅ…う……うう…
アタシは…――アタシは
アタシはあんたの武器だ
ディーナ
…ありがとう、マァル