あれと、これと…
あ、こっちも面白そうだな
よっと
ずいぶんたくさん持ってきたな
オレひとりじゃ
この大図書院には入りにくいからね
せっかく潜り込…じゃない、来られたんだ
読みたい本を一気に読んじゃおうと思ってさ
お前がここまで
読書が好きだとはなあ…
別に読書が好きなわけじゃないよ
知らない知識に触れることが好きなんだ
じゃ、オレ、集中したいから
しばらく話しかけないで
わかった、わかった
…うわ、ウソでしょ！？
どうしたんだ？
見てよ、ノワール
この本、ページが破かれてる
本当だ…
いいところだったのに
もうサイアクだよ
- クリスさんに報告しよう
- なにを読んでたんだ？
- 犯人探しでもするか？
司書のクリスティーナさんに
報告したほうがいいかもしれないな
げっ！？
やだよ、余計面倒なことになりそう
オレがここにいることも
よく思ってないかもしれないし
そんなことはないと思うけどな
ま、報告しないのはよくないと思うし
あとでノワールからやっといて
オレは想像力で補いながら
この本を急いで読んじゃうからさ
想像力で補えるもんなのか…？
なにを読んでたんだ？
冒険小説だよ
たまにはこういうのも悪くないかと思って
ふーん…
………ん？あれ、この本…
知ってるの？
ああ…懐かしいな
小さい頃に母さんが読んでくれた本だ
確か、ディナタン…妹が持ってるはずだ
今度貸すよ
ほんとに？絶対だからね
嘘ついたらアンタの部屋、忍び込むから
確かに許せないな
犯人さがしでもするか？
オレはパス。どうせ見つからないって
いつ破られたのかだってわからないんだし
まったく、本を手荒に扱うとか
この学園の生徒の程度が知れちゃうね～
学園の生徒とは限らないだろ
お前みたいに潜り込んだ奴がいるのかも
あはは、確かに！
ま、誰であろうと
図書館の本を破るなんて最低だけどな
だよね。大事なことが書かれてたなら
本ごと盗っちゃえばいいのにさ
そういうことじゃない