ガキめいた夢もってたぜ
世のなかにはさ
正義と悪がいてよ
正義ってのはめちゃくちゃに強くて格好いい
ンな奴になりてえって──アンタに憧れてた
私はローマの軍人だ
属した組織が腐ろうが務めを果たす義務がある
逃げないでよ、
…ヴェルナルス様が、いつ、逃げました…？
黙って聞いてよドラゴンキラー
世のなか正義と悪だけじゃねーってことぐらい
ちょっとすりゃあわかってきたんだ
だからさ
あんたがそっち行ったのだって、わかるよ
あんたらには国への忠誠があって
軍人武人の務めと役割があって
それがあんたらの正義なんだろうぜ
だけどね、世のなかには
『やっちゃいけないこと』ってのがあるの
それこそシンプル
ガキに教える倫理のハナシだ
『誰かをキズつけること』よ
…！
幼稚な論理は、もう…いい
そう、ね
ギネヴィア？
…誰かにキズをつけたなら
報いを受けなきゃならないわね
わかっています、わかりきったことです…！
あたし、バルバロイに喰われた友達いっぱいいる
キズつけられて泣いてる子、いっぱい知ってる
覚悟して戦いに臨んだはずです
いまさら──
ただただそんなの見るのは悲しいっつってんの
ヴェルナルス、なんであんたが
俺らから逃げ続けてんのか、考えたんだよ
…後ろめたいんだろ、あんた
２度目の侮辱ですッ！！
ヴェルナルス様と旧知の仲とはいえ、もう──
そうだったよ、ずっと
ヴェルナルス様！！
憧れに目を輝かせるお前たちに追われるほど
なぜだか背を向けてしまいたくなった
………ヒーローに追われたからね
そう、か…
…そうして背を向け逃げる私は──
- ただの悪党だ
- 背を見せて語る師でもあったはず
ただの悪党だ
継承者！！
あなたも承知でそちらについたはずよ
いまさら憤る筋合いはないわ
背を見せて語る師でもあったはずだ
…そうかもしんねーな
いいや…ただの悪党だよ
承知のうえでこちらについたのだがな
そしてガウェインとラグネルは…
「立てよ。転校生の悪口言ったヤツは」
「俺たちが護衛してやんなきゃあ」
俺が出会ったあのときから
ここで一緒に戦った最初から
とっくにヒーローだったから
後ろめたくて当然だ
もうアンタを追わねえ
だけどもう、引きもしねえ
腐っても憧れだったよ
それも過去に置いてきたけど
手合わせしようぜ、悪党！
…断る口実が見つからん
陽よ昇れ、夜に差せ、暗きを出で
来たる光を三重に宿せ
ラグネル──
因枢分解・ガラティン！！