…？
ここは…
マルディサント！
ここは学園だ、帰ってきたんだよ
こんなとこで寝てらんねえ…！
せんせを助けに、這ってでも──…！
寝てなきゃダメだよ…
なんで止めたんだよ…！
え…？
なんで止めたんだよ、あのとき！
あのオッサンがせんせを連れてったとき！
だ、だって、あの──…
育ててもらった恩があるから
見逃したんじゃねえのか…！？
違うよ、マルディサント
なにが違ぇんだよ言ってみろよッ！！
あなたが心配だったから！！
ハ、ハァ？
アタシィ！？
…っ、あ、アタシ、アタシのことなんか
アンタにゃカンケーねえだろ！
あなたが、し、死んじゃったら
いやだって…思ったから…！だから…！
こ、こんなことになるんならなぁ…！
アタシなんかあのとき死んでりゃ良かったんだ！
あのときっていつよ！？
妹が死んだときだよ！こないだみたいに
アタシ、なんっっもしてやれなかった…！
メシも、良い服も、家も、部屋も…！
全部モルガンせんせに与えてもらって…！
妹は狂忘症で、目を覚ますたびに
アタシのことわかんなくなるんだぜ！？
だからアタシ『良い姉ちゃんごっこ』してた…
安心して欲しくて、笑顔演じ続けて…
やっっすい芝居してたよ！理想的な姉！
中身はカラっぽのままでアタシはなにも──…！
そ、んな、こと…ないよ…っ
偶像に現実わかんのかぁ！？
妖精にわかんのかよ！？
…
この、図書院俳優！！
やんのか、オラァッ！？
- ディナタンを止める
- マルディサントを止める
- （傍観する）
やめろ、落ち着け、ディナタン！
止めないで兄さん！
私、言わなきゃ！
マルディサントに言いたいことあるの…！！
お、おい！
落ち着けマルディサント！
そいつが売ってきた喧嘩だろーがッッ！
や！アタシが売った感もなくはねえが
ともかくそいつとの喧嘩なんだよ！
…
なに黙って見てんだアンタ！？
見てるだけなら
向こう行っててよ兄さん！
その良い子ヅラはがしてやるよ！！
だって安心して欲しいから！
アァッ！？
ずっと母さん…虚勢張って、最期まで元気で
兄さんもずっと、痛いことあっても平気なフリで
あなたもずっとツッパってた…！
でも、たくさん話しかけてきてくれた…！
だから私、物分かり良く笑顔でいられたら！
きっとみんな安心すると思ったの！
心配かけない良い子でいられたら！
張りつめてる空気も和らぐかもって！！
アンタ…
母さんも、兄さんも、マルディサントも…
ブライアンさんも、みんな──…！
ウウッ、うっ、うううう…！
にこにこ、してて欲しいから…ぁぁ…！
でも、でも…！どうしたらいいかなんて…！
もうわからなくて…！！
ずっとずっと
なにも、してあげられないまま──…