あ！ノワールくん、いらっしゃ～い
すみません、今ドタバタしてて
司祭様にも許可をいただけたので
大聖堂を飾り付けようかなって思って
ああ、そうだったのか
- すぐに失礼するよ
- なにか手伝おうか？
とくに用事があったわけじゃないし
俺はすぐに失礼するよ
いえいえ！せっかく来てくれたんですから
少しお話でもしましょう～
ちょうど
私も少し休憩したかったところなんです
なにか手伝おうか？
こう見えて、細かい作業は得意なんだ
はい、知ってます
いつも裁縫されてますもんね
でも、大丈夫です。もう少ししたら
街のみなさんがお手伝いに来てくれますし
モルくんもきっと手伝ってくれます
ああ見えて、面倒見がいいんです
「クリスマスだからって浮かれんな！」って
モルくんには注意されましたけど
でも、これでみなさんの心もちょっとは
明るくなってくれたらいいなぁ
主よ。どうかみんなの心に安らぎを
そしてモルくんの背中に灯りかけている
不幸の火を…どうか消してあげてください
…わたしって、役立たずですよねぇ
モルくんはこんなわたしを捨てずに
ずっと一緒にいてくれたのに
なのに、祈ることしかできないなんて
…クラリス？
あれ？今通り過ぎたの…
モルくんでしたよね？
え？
いや、あれはただのゴミ袋――
わわ、たいへんです！
モルくんが飛んでいっちゃいました～
モルくん、待ってくださーい！