…さむいから、いれてくれない？
………どうぞ
………なんて顔、してるんです
…こっちのセリフ
見せたくありませんでした
ギネヴィアさんには
…どうして？
思い出させたくない
気に病まないで…ほしいんです
あのときは体が勝手に動いて
…私はむしろ「良かった」とすら
…わたしね
エレインの気持ち、ちょっとわかったよ
言葉がね、出ないの…どうしても
うまく口が開かない
笑ってなんかいられない
だけどエレインは初めから
必死に伝えようとしてたんだね
手紙は…あなたが書き連ねる文字は
あなたの叫び声だったんだね
一生懸命、ずっと一生懸命だったんだね
…買いかぶり過ぎです
あなたのキズに報いるよ。わたし
ギネヴィアさん…？
わたし、きっとすぐ聖遺物化しちゃうだろうけど
あの人が覚えててくれればいいと言い聞かせてた
わたし、だめなのかもしんない
選ばれるべきじゃなかったのかもしんない
あなたの悲鳴が耳から離れない
怯えたわたしを
でもわたし…それも思い出すよ
覚えているかぎり、何度でも思い出すよ
あんな声
もう誰にも上げさせない
なにも遺せないほど弱かったとしても
誰にも傷跡が残らないようにしたいよ
もう一度、あなたの顔を見せて
わたしに──覚悟させて
ギネヴィアさん
あなたの代わりに喚くから、わたし
ギネヴィアさん
だからわたしの代わりに、いつかあなたは──
え…？
…ううん。この話はまた今度
元気になったらしよ。一緒に笑お
癒えるまでは、いいんだよ