ねえ、どうしてヒドイコトばっかり言うの？
なんだよ、いきなり
誰のハナシだよ？
あなたのこと。最初、大図書院では
よくしてくれたのに、ここでは…ずぅっとヒドイ
それかよ
…フェアリーの羽音が耳障りなだけだ
逆にアンタこそさ
なんでイイコトばっかしてんだよ
そう見えるの？
良く見られたくて
しょーがねえってツラだ
やれることを探しているだけだよ
へえへえ。それは見上げたコンジョー
やれることを探して、見つけたの
マルディサント、あなたを
アタシがなんだって？
私を
剣の祭壇の儀式に連れて行って
ゲホゲホッ！？ウエッ！？
ハァッ…！？
アンタは人質なんだろ？
オニーサンを学園にたてつかせないための
まだ儀式の日取りも決まってねえのに
学園抜け出していいと思ってんのか？
授業もろくに出ていない貴方なら
いなくなっても怪しまれないでしょ？
…だから
非行少女を盾に使おうって？
私は祭壇で力を得る
そうすれば学園も私たち兄妹を手放せなくなる
アンタに戦う素養なんざねえよ
そのときはそのときで考えます
というよりよ
そんなハナシに乗ると思うのか？このアタシが
ぜひ
図書院俳優？
ウッ！きたねえぞ！！
それヒミツっつったろォッ！？
せめてお兄さんに相談したら？
一緒についていってもらえないかって
…それは駄目です。兄さんは兄さんで頑張ってる
兄さんに、余計な心配をかけたくないんです
…ディナタンちゃん
療養院のフェアリーのままでは不満？
義務？
兄が帰ってこなければならない理由…
それだけの立場でいたくない
待っているだけは、イヤです
まぁ！がむしゃらで青くて盲目ぅ～
ランス兄ちゃんには命を助けてもらった借りが
この学園には一宿一飯以上の恩義があります
モルガン先生には
厚意で働かせてもらっています
学園においてもらっているのに
ずっとゲスト扱いでは居心地が悪い…ですから！
ふふっ
真面目、そして義理堅い…！
とはいえ無断で出ていきゃ懲罰もんだぜ…
ギネヴィア王妃殿下じゃねえんだから
そう言うかと思って～
こういう話になるんじゃないかと思って～
お姉さん
こちらに王様を用意しました～
うわあ王様だ！？！？
話は聞かせてもらった
儀式、いいんじゃない？
明日にでも行っといで？
うわあ適当だ！？！？
適当じゃないぞ？今ならノワールたちによって
剣の祭壇までの道は拓かれている
むしろ今が最も安全といえば安全だ
勝手に出て行かれるよりはよっぽどいいさ
マルディサントは儀式を済ませてるものね？
道案内、お願いね
…でもさ。外、出ても平気かな。アタシ
うーん…最近のお加減は？
最近？
おっきな声がめっちゃ出る
なら良ぉーし。いってらっしゃい！
それでいいのよね、アーサー？
ああ。明日、明日だぞ。いいな？
ちゃんと連れて行くんだぞ？
あ、あ、ありがとうございます…！
ほれみろ…
安息が乱され始めたぜ