それにしても
ふたりでいろんな場所を巡ったな
俺が受け継いだ
師匠の思い出の地も残りわずかだ
こうして学園を離れてふたりでいると
まるで昔に戻った気分になる
教師なんて本当はガラじゃないんだ
そうなのか？
その割にはスパルタ指導が板についてるけど
冗談だろう？最初はお前も
似合わないと言っていたじゃないか
- そうだっけ？
- 当てつけだよ
そうだっけ？
よく覚えてないな…
やれやれ
昔からお前は都合の悪いことはすぐ忘れる
剣術以外について講義している姿は
未だに違和感があるけどな
こいつ…覚えているじゃないか
ははっ！
それは、その…当てつけってやつだよ
当てつけ？
あのときはあんたが信用できなかったというか…
正直言うと腹が立ってた
大事なことをなにも教えてくれないのに
言うに事を欠いて先生だなんて、ってさ
そうか…
しかし、そう思われて当然だな
俺はお前に
なにも言ってやることができなかったのだから
信用したいけど、信用できない
…そんな気持ちの表れだった
今思えば、甘ったれでダサいよな
…いいや。そんなことないさ
いろいろ落ち着いたらさ
しばらくリムニーナ村に戻らないか？
ディナタンも誘ってさ
置いてったらきっと拗ねるだろうし
子どもの頃みたいに３人で
湖のほとりで遊ぶんだ
きっと楽しいだろうな
そうだな