うむむむむ…
駄目だぁ～
全然歌詞が思いつかないよ…
歌詞かぁ…
俺もこういうのはからきしだからな
ところで、なんでこんなにたくさん本を？
うう…たくさん本を読めば
素敵な言い回しとか思いつくかなぁって
むしろ、いろいろ頭に入れ過ぎて
逆にこんがらがっちゃったかも…
あー…
はぁ…
歌詞を書くのって難しいんだね、兄さん
おいおい、なにやってんだよおふたりさん
大図書院で騒ぐと怖～い司書サマに怒られるぜ？
マァル！
- ディナタンに付き合ってるんだ
- 人のこと言えないだろ
- マルディサント、会いたかった！
俺はディナタンに付き合ってるんだよ
はぁ、そうかよ
相変わらず仲良し兄妹なこって
もう、マァルってばからかわないで
兄さんはただ私の手伝いをしてくれてるだけで…
…あ、そうだ。マァルも手伝って！
マァルならきっと良い詞を考えてくれるよね
あ？なんの話だ？
マルディサントだって人のこと言えないだろ
ここで芝居の練習してたって聞いたけど
アタシはいいんだよ！
ここはアタシのシマだからな
いや、違うだろ
でもあながち間違ってないかも
マァルっていっつもここにいるもんね
まぁな。本がたくさんある場所にいると
インスピレーションも沸いてくんだよ
インスピレーション…
実際に書いている人の意見って感じだ…
…ねぇ、マァル
お願いがあるんだけど
マルディサント、会いたかった！
はあ！？
いきなりなに言ってんだ、アンタ！？
に、兄さん！？
どうしたの急に！？
マルディサントは文章を書くのが得意だろ？
だったら…
…！そっか！さすが兄さん！
おい、なんの話だよ！
アタシ抜きで話を進めんなっての！
あのね…マァル！
お願いがあるんだけど…
実はね。療養院のみんなを元気づけるために
コンサートを開くことになったの
それでオリジナルの曲を作るつもりなんだけど
なかなかいい歌詞が浮かばなくて
だからね
マァルに手伝ってもらえたら嬉しいんだ
ラブレターの返事に続いて、今度は作詞かよ
アタシ、歌詞なんて書いたことないんだけど
大丈夫！マァルの書く台詞はどれも心に響くし
私たちより絶対作詞センスあるよ！
んなこと言われてもなぁ…
そりゃ、オニーサンよりはセンスあると思うけど
なんで俺限定？
お願いマァル！手伝って！
みんなが元気になって…また頑張ろうって
そう思えるような、素敵な歌を作りたいの！
…ま、ディーナにそう言われちゃ
手伝わねぇわけにもいかねぇか
わかったよ。アタシに任せな
…！ありがとう、マァル！
歌詞ねぇ～…みんなが元気になって
また頑張ろうって思えるような…
！キタ！！
なにが？
インスピレーションに決まってんだろ！
ディーナの話聞いてたらなんかビビッときた！！
おい、オニーサン！さっさとペンよこしな
アイデアが逃げちまうだろうが！
わ、わかった！
…おっしゃあ！！いい歌詞書けた！
うん！これ、本当に素敵だよ
ああ、我ながら会心の出来だぜ
オニーサンも読んでみるか？
…本当だ。すごく素敵な歌詞だな
歌詞を読んだだけで心が洗われるというか…
でしょ！？すごく美しい歌詞だよね
マァルの繊細さが歌詞に表れてるよ
…ディーナの心が綺麗だからじゃねえの？
えへへ…
ねぇ、私ちょっと歌ってみるね
おお…即興とはいえ
メロディーがのっかると更にグッとくる
アタシとディーナが作ったんだから当然だろ
この歌詞に見合うような
いい曲つけねぇと承知しねぇからな
ああ、わかってるさ