本当にありがとうございます
すぐに見つかって良かったぜ
ガウェインのおかげだな
俺なんかなにもしてねーって
このあたりじゃ見かけない子だから
印象に残りやすかったんだろうな
これからは
勝手にいなくなっちゃダメだよ？
お母さんに心配かけないようにな
ごめんなさい…
来たばかりの街だから
探検でもしてたのか？
虫を探してたの
虫？どんな虫だ？
キンイロチョウってわかる？
キンイロチョウ？
うん、そう
この島だけにいるすごく珍しい蝶なんだ
なんでその蝶を探してるんだ？
キンイロチョウはお父さんがお母さんに
プロポーズするときに贈ったものなんだ
キンイロチョウは仲良しのふたりを
キラキラの未来へ連れて行ってくれるんだって
先日、私たちの住んでいた村が
バルバロイに襲われました
たまたま滞在していた男性に私とトムは
助けていただいたのですが、夫は…
家も壊れてしまいましたし
私たちは親戚を頼ってこの街へ来たんです
たまたま滞在していた男性？
誰なんだろう
名前とか聞いてないのか？
バルバロイを倒したあと
名も告げず去られてしまわれました
背が高くて真っ黒な服の
オジサンだった！
それだけじゃさすがにわからないか…
最初は怖そうって思ったけど
話したら優しい人だってすぐにわかったよ
僕がお母さんのそばで泣いてたら
優しく頭を撫でてくれたんだ
- 知り合いか？
- 誰なんだろうな
なんだ、その反応？
もしかして心当たりがあるのか？
いや、どうだろ？
でも、やっぱりヒーローは
名も告げず去るのがカッコイイなと思ってさ
たまたま村を訪れていたのか
非番の兵士かな
うーん、どうだろうな
なんにせよ腕が立つのは間違いない
どこに所属している人間なんだろう
案外近くにいたりしてな
そうそう
どういうことだ？
思い出のキンイロチョウが
そばにいてくれれば…
ううん。キンイロチョウは、僕たちのなかの
お父さんの記憶を守ってくれると思うんだ
お父さんの記憶を、守る…
トムは家族想いなんだな
…よし！
じゃあ
今度俺たちとキンイロチョウを探しに行くか？
本当！？
ああ、本当さ
な、ノワール！ラグネル！
もちろん付き合うよ
すぐに捕まえてみせるさ
え？
う、うん、蝶、蝶ね…
（けど、虫捕りか…
苦手なんだよな、虫………）