トム！久しぶりだな！
お兄ちゃんたち！元気だった？
ああ、もちろん
お前こそ調子はどうだ？
うん、僕も元気だよ
それでな…これをお前に渡そうと思ってよ
なにこれ、宝石？
僕にくれるの？
わぁーっ、チョウチョが入ってる！
キレイだなあ！こんなのがあるんだ！？
それは琥珀っていうんだぜ
宝石じゃなくて樹液が固まったものなんだ
だからこうして虫が閉じ込められたのもある
そっか、虫って樹液が好きだもんね
でな
そこに入ってるのはキンイロチョウだ
えっ？
…ほんとだ！！
これならずっと
綺麗なキンイロチョウを見られる
…親父さんの思い出を
ずっとそばに置いておける
すごい！
お母さん、きっと喜ぶよ！
そんで、あとでさ
本物のキンイロチョウを捕りに行こうぜ
バルバロイが出たって大丈夫だ
俺がぜーんぶブッ倒してやるから
本当？
約束だよ！？
そんときさ
こっちの兄ちゃんも連れて行っていいか？
- 遠慮する
- ダメって言われてもついていく
いや、俺はいいよ
せっかくだしふたりで行って来いよ
このお兄ちゃんな
カッコつけてるけど虫が苦手なんだぜ？
えー、ほんと？
大人なのに？
大人だって苦手なものくらいあるんだ！
ダメって言われてもついていくぞ
ダメなんて言わないよ！
３人で一緒に行こう
そうだ
お姉ちゃんも誘おうよ
あー…誘ってみるけど
ラグネルは来ねえかもなあ
虫が嫌いなんだよ、あいつ
そうなの？残念だなあ
みんなですっごく大きなやつを捕まえようよ
ガウェインお兄ちゃんならできるでしょ？
すっごく大きなキンイロチョウか…
頑張ってはみるけどよ
ぜったい捕まえられるよ！
だってお兄ちゃんは太陽のヒーローだもん！
まだ道半ばのヒーローだけどな
ありがとな、そう言われて悪い気はしねーよ
トム、ひとついいことを教えるよ
なあに、ノワールお兄ちゃん？
琥珀ってさ
太陽の石とも呼ばれてるんだ
えっ！？
なんでお前そんなこと知ってんの？
ちょっと大図書院で調べてみたんだよ
太陽の石か～。だから
ガウェインお兄ちゃんが持ってたんだね
あー、いや
そういうわけじゃ…
さらに太古の記憶が詰まっているとも
言われているんだぞ
たいこ？
うんと昔ってとこかな
へえ～！
トム。早いところお袋さんのところに
持って行ってやれよ
あっ、うん！
お兄ちゃんたち、本当にありがとう！
僕、この石、大事にするよ！
やったな、ガウェイン
お前のおかげだよ
ありがとな、ノワール
これでトムのお袋さんが
元気になってくれるといいな
きっと大丈夫さ
誰かとの繋がりを感じる
特別なものってあるだろう？
お前の金コートみたいなもんか？
そう
大切な思いを支えてくれるもの
あの琥珀はきっと
トムのお母さんを支えてくれるさ
…だな
ノワール、決めたぜ
これから俺が目指すヒーロー像
聞かせてくれ
「家族を大事にして
家族を大事にするヤツを支えるヒーロー」！
いいんじゃないか？
カッコイイと思うよ、俺は
…だよな！