…ローマの兵士はわずかだな
ほとんどがバルバロイだ
- これもルーシャスの策か？
- 住民は無事なんだろうか
- 兵の様子を窺おう
これもルーシャスの策なのか？
それにしてはまどろっこしすぎる
あいつならもっと大胆な手を打つだろう
魔女に唆された兵士が功を急いだのかもしれん
なんにせよ、許しはしないがな
村の住民は無事なんだろうか
村の様子を見るに、
まだ被害は出ていないようだな
恐らく住民はみな家にこもっているのだろう
こうも囲まれてしまうと逃げ場などない
早く助けてやらないとな
兵の様子をうかがってみよう
ログレスはまだ来ないのか？
兵を挙げたって話は聞かない
こんな田舎、見捨てたんじゃないか
ならば、アーサー王は守るべき民を見捨てたと
広く喧伝してやろう
呑気なことだ
まさか王様自ら、たったふたりで
乗り込んでくるとは思ってないんだろうな
まあ、普通は思わんよ
――よし、今だ！行くぞ、ノワール！
ああ！
なっ…アーサー王！？
馬鹿な！
単身で乗り込んできたというのか！？
馬鹿で悪かったな
この程度の敵、ふたりでどうとでもなる
そういうことだ
ところで…俺は、少々育ちが悪くてな
太刀筋が荒いとよく言われるんだ
だから――痛くても勘弁してくれよ？
くっ…！こうなったら――
なぜこんなところに学園の生徒が？
もしや孤児院の…？
って
今はそんなことを気にしてる場合じゃないな！
アーサー！？
う、うわあああ！
た、助けてくださいアーサー様…
その子を放せ！
コイツの命を助けたかったらお前の首と交換だ
さあ、どうする。アーサー王…！
俺の首でいいのか？
ならば自分で刈りにくればいい
なに…！？
ほら、武器は置いたぞ
どうした。来ないのか？
…こ、この――！
ぐあああっ！
助かったぞ、ノワール
よく俺の狙いが分かったな
…これでも一応、円卓の騎士だからな
く…くそ！！だが、バルバロイならまだ――
………なんだ、この声は
た、大変です！
ログレス兵の援軍が来ました！
アーサー様！！無事ですか！？
この声は…ガウェイン！？
…くそ、もはやこれまでか――
…どうやら、なんとかなったみたいだな
でも、どうして援軍が？
ここに来るのは誰にも言ってないはずなのに…
…義兄さんめ