なあ、これ…
なんのパーティなんだ？
俺もよくは知らないけど
いろんな国の貴族やお偉いさんが集まって
円卓の騎士の活動を支援する
動きがあるそうでさ
それに向けての
顔合わせみたいなもんなんだって
へえ…
あなたがパーシヴァル様ですか
お父上のご高名は聞き及んでおります
あなたご自身も円卓の騎士のひとりだそうで
さすがの血統といえますな！
はっはっは！
いやあ、まあ、それほどでもありませんよ
（それほどでもあるって顔をしているな）
それで、ひとつ相談がありましてな
今回の計画がうまくいった暁には
円卓の騎士の皆さまで
私の家族や屋敷を優先的に守ってもらえるよう
アーサー王にはたらきかけていただきたいのです
もちろん、そのぶんの色はお付けいたしますので
………
パーシヴァル？
あああっ、すみません！
ななな、なんてこと！？
ワタクシのドレスが汚れてしまったじゃないの！
す、すぐお拭きいたしますので…！
やめて！
汚らしい手で触らないでちょうだい！
このドレスがいくらするか知っているの！？
あなたなどが一生働いても稼げない金額なのよ！
あ、あああ…
あなた、どう落とし前をつけるつもりなの！？
- （止める）
- （様子を見る）
いくら高いドレスだからって
言っていいことと悪いことがあるだろう！
ひとこと言ってやらないと気が済まない
パーシヴァル…？
キミは黙って見ているだけでいい
なんて言い草だ
これだから貴族ってやつは…
「貴族ってやつは好きになれない」
かい？
えっ？
えっ！？
な、なにをなさっているのです！
ご自分の制服に
飲み物をかけるだなんて！！
あああ、なんということだ！
ボクのお気に入りの制服が汚れてしまった！
オーダーメイドの一着で
城をひとつ建てられるくらい高価なものなのに！
えええっ！？
えええっ！？
でも、こんなものは洗えばどうにでもなる
すぐにもとどおりさ
ただね。もしもこんなことのために
キミの心がキズついてしまったとしよう
心のキズは洗い流すことはできない
すぐにはもとどおりにならない
だから、キミが気に病む必要などないのさ
いいね？
は、はい…
あなたは
なにか勘違いしているようだな
えっ？
貴族が偉いのではない
ボクらはたまたま貴族に生まれただけだ
額に汗して働く彼らのような存在がいるから
貴族は貴族でいられる
彼らは自分が自分であるために
新しい自分を見つけるために努力をし続けている
本当に讃えられるべきは彼らなのだ
彼らへの感謝の気持ちを忘れてはならない
彼らを虐げたり、自分だけ守ってもらおうなど
恥ずかしい行為であると知るべきだ
………
………
………