果てなき森の抜け道、ですか…
聞いたことはないかい、義姉さん
聞いたことはあります
ですが…
私もあの森を
隅々まで歩いたことがあるわけではなく
そもそも妖精の隠れ里も
「あった」と噂されているだけですから
そこから繋がるとされる
抜け道の場所もわかりません
お力になれずごめんなさい…
- ディンドランさんが謝る必要ない
- これからどうする？
- 諦めよう
いえ
ディンドランさんはなにも悪くないですよ
ああ
姉さんが謝る必要はなにもない
ああっ！パー坊、私のことを心配してくれるのね
姉さん、嬉しいわ…
だーっ！そんなつもりで言ったんじゃない！
あと、学園でパー坊って呼ぶなと言ってるだろ！
（学園じゃなければいいのか？）
ということだけど
これからどうする、パーシヴァル？
ほう？
ボクの力を頼らざるを得なくなったようだね
だが、もう少しキミの能力を見極めたい
力を貸すにはまだ時期尚早といえる
（つまり、なにも浮かんでないわけだな）
ディンドランさんでも知らないんじゃ
これはもうお手上げだな
ケイには
「無理でした」と報告するのかい？
キミひとりでするんだね
ボクはそんな醜態をさらすつもりはないよ
さっきディンドランさんは
こう言いましたよね？
「私もあの森を
隅々まで歩いたことがあるわけではない」
ええ
それなら、ディンドランさんが
まだ行ったことのない場所を探してみよう
なるほど
ありかもしれませんね
それから
ひとつ思い出したのですが
妖精の里には
過去のさまざまな記憶が集まると聞きます
里を見つけることができれば
抜け道だけでなく
聖杯についても
新たな情報が得られるかもしれません
義姉さんが行ったことのない場所を探す、か
素晴らしいじゃないかノワール！
ボクもこれからそれを提案しようと考えていた
さすがですわ、パーシヴァル様！
つ、疲れる姉弟だな…