お待ちどう～♪炭鉱産の伝説のキノコと
村の畑で採れた特産野菜を使った…
『炭鉱のキノコスープ』！
さあ、召しあがれ！！
うまい！
うまいぞ、ガレス！
味わいだけじゃなく香りも素晴らしい
これならどんな料理にも合いそうだ！
こ、これは…
この、スープは…！
ええっ、みんな泣いてる！？
どうしたんだ、まずかったのか！？
違う、違うんだよ
当時味わったあのスープのままなんだ
あのスープがまた味わえたことが
嬉しくてさ…
兄は料理の達人ってわけじゃなかったけど
優しい人でね
仕事に疲れた鉱夫のみんなを労いたい
そんな気持ちを込めて
いつもこのスープを作っていたよ
兄のスープを蘇らせるなんて
お嬢ちゃんはたいした料理人だよ
わたしはレシピを再現しただけだ
すごいのはおばあちゃんのお兄さんだ
作っている途中で味見をしたとき
お兄さんの想いを感じた
優しさやあたたかさが
このスープを通して心と体に広がった
このスープは確かに美味しい
でも、それだけじゃないんだ
スープを飲む人のことを
あの村に住む人のことを想って作られてる
おばあちゃんたちが飲んだとき
その美味しさは数倍、数十倍になるはずだ
ねえ、おばあちゃん
マイントリュフの採取はわたしたちが手伝う
だから、このスープの味を
これからも伝えていってほしいんだ
そうだね
兄の想いを伝えていかなきゃね
ありがとう、お嬢ちゃん
うん、きっとお兄さんも
喜ぶに違いないぞ！
…♪
- おつかれさま
- なにか掴めた顔してるな
ガレス、おつかれさま
村のみんなも喜んでたな
ありがとう
ノワールとリオネスのおかげだよ♪
あたしはなにもしてないぞ
ぜんぶガレスの頑張りだ！
嬉しそうな顔してるな
なにか掴めたのか？
ノワールにはわかっちゃうか～♪
あ、あたしにもわかったぞ！
うんうん
もちろんリオネスにもね
よく聞く言葉だけどさ
やっぱり想いに勝る調味料はないんだね
わたし、ちょっと料理が上手くなって
技術に溺れてたのかもしれない
みんなが驚くような
新しい料理を作りたいってことばかり考えて
ひとりよがりの料理を作ってたんだと思う
兄さんはそれを教えてくれたんだ、きっと
- そうだな
- そうかな…？
うん、きっとそうだよ
うーん、ガウェインのヤツが
そこまで考えてるかな～？
ははっ！
わかんないけど、そういうことにしとこう♪
そうかなあ？
そこまで深く考えてなかった気もするけど
あたしもそう思うぞ
もう、ふたりとも！
ああ見えて結構いい奴なんだぞ
兄さんは？
ガウェイン、そろそろ入ったらどうだ
ハラ減ってんだろ？
あ、ああ…
ハ、ハラ減っちまってよ
なんでもいーから食わしてくんね？
そのスープでもいいぜ
俺が作ったサンドイッチが残ってるからよ
これでも食っとけ
え？
あ、ああ、サンキュ
兄さん
…ん？
今、兄さんのために
フルコースを用意してるんだ
へえ、そうなのか
それでな、兄さん
なにか食べたい料理があるなら教えてほしい
食べたい料理？
そうだなあ…
昔食ったナイトカジキのグリルが美味かったな
あれをまた食べてみたい
ナイトカジキのグリルだな、わかった！
今度は絶対に
「美味い！」って言わせてやるからな！
楽しみに待ってるぜ