リリアーナさん…
同じことが起こらないように
柵を作ったほうがいいかもしれない
相手は人間でしょ？
柵くらいじゃ効果は薄いんじゃないかな
それはそうだけど
あるに越したことはないだろ
詳しく調べてみたのだけれど
なんだかおかしな足跡なの
左右の大きさに差があって
足跡の横に棒か何かを刺した跡もあるの
どっ、どういうことでしょう…？
足跡が続いているほうを見てくる
- 俺も行くよ
- 気を付けてな
クレア、待った
俺も一緒に行くよ
ノワールさん、クレア！
調べてくれるのは嬉しいけど、危険ですよ…
たとえばだけど
もしここで放っておいたとして
次にリリアーナがひとりで畑に来たときに
犯人が現れたらどうする？
そのほうが危険だよ
それは、そうかもしれませんけど…
気を付けてな、クレア
…なにを言っているの
あなたも行くのよ。着いてきて
え？
あ、ああ…
わ、私も――
あなた、戦える？
えっ？
もしも戦いが起きたとき
あなたは人間と戦える？
戦い？
どうしてそんな話になるの？
もしもの話よ
…戦うのは、怖いです
それならここで待っていなさい
ディナタン、リリアーナを守ってあげて
う、うん
…いいえ、行きます
私だってみんなの役に立ちたい、です
リリアーナさん…
ディーナ、ディーナ！緊急事態だ！
…って、クレアにリリア―ナもいるのか？
マァル！どうしたの？
なにかあったのか？
街の近くでバルバロイが出てさ
学園の連中何人かで対応にあたったんだ
それは大変だ
俺たちもすぐ現場に行く
いや、もうバルバロイは撃退されたよ
現場のほうは心配いらない
え？
緊急事態なんじゃないのか？
戦闘で負傷者が出たんだよ
そいつらの手当てができる人間が必要なんだ
わかった、すぐに戻るわ
今日のところは私たちも戻りましょう
少しでもお手伝いしないと
そうね
足跡はまた別の日に調べに来ましょう
リリアーナ。それまではなるべく
ここにひとりで来ないようにして
は、はい
わかりました…