兄さん？それって…
寮で飼ってる犬だよね？
ああ。手の空いているときに
世話してくれって言われてるんだ
へえ～、そうなんだ
兄さんにすごく懐いてるね
それに
兄さんもすごく楽しそう
そうか？まあ…
動物の世話は嫌いじゃないしな
小さい頃に家で何度か犬や猫を飼ったし
傭兵団にいたときは馬の世話もしてたもんね
いいなあ。今度、私もその子たちの世話係
やらせてもらおうかな
- 簡単じゃないぞ
- いいと思う
- 自分たちの犬を飼おう
止めないけど…
そんなに簡単なもんじゃないぞ？
言うことを聞いてくれるとはかぎらないし
服を汚されることだってある
もう、そんなのわかってるよ
小さい頃に飼ってたときは
私だっていっしょに世話してたし
そ、そうだったな
ごめん…
ううん。それじゃ、また機会があったら
私も一緒に手伝わせてね
約束だよ
いいんじゃないか？
俺から話しておくよ
本当？
「ディナタンになら任せられる」
「昔、仔犬を飼いたいって言って拾ってきて
母さんにすぐ飽きると止められたけど」
「飽きることなんてないって言い張って
３日３晩その仔犬から離れなかったくらいだ」
…って推薦しておく
ちょ、ちょっと！
余計なことまで言わなくていいからっ！
ははっ、冗談だよ
ほかのお手伝いもあるから
定期的っていうのは難しそうだけど
たまには
この子たちの相手をしてあげようかな
ああ、そうしてやってくれ
こいつらも喜ぶと思うから
せっかくだし
自分たちの犬を飼うか？
ディナタンが世話してくれるなら安心だし
きっと聞き分けのいい子になる
そ、そうかな…！？
小さい頃に飼った犬や猫も
俺よりディナタンに懐いてたろ？
でも、飼うとなるといろいろ準備が必要だよね
小屋を建てる場所とか、エサ代とか
ああ、なるほど…
一度誰かに相談したほうがよさそうだな
うん。焦っても仕方ないし
本当にできたらいいな、ってくらいにしておくね
…ありがと、兄さん