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【ノワール】 実は、蕾がついたんだよ あのハーブ! |
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【リアム】 それは大変素晴らしい 頑張りましたね、ノワールさん |
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【ノワール】 希少な品種なんだろう? これまで以上に丁寧に栽培しないとなと思ってさ |
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【ノワール】 注意点があったら教えてほしいんだ |
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【リアム】 ふむ… |
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【リアム】 真面目で熱心な方だとは思っていましたが 予想以上だったようです |
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【ノワール】 え? |
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【リアム】 あのハーブは毎日細やかに 世話をしてあげることが重要です |
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【リアム】 蕾を付けさせることは枯らさないようにするより 難しいとすら言われているのですよ |
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【ノワール】 え、そうなのか? |
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【リアム】 はい。名人と呼ばれる方が 「最後はハーブの気分次第」と仰るくらいです |
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【(選択肢)】
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【ノワール】 へえ…!なんだか嬉しいな ハーブ栽培、楽しくなってきたよ |
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【ノワール】 あのハーブを部屋に置いてからは 毎朝起きるのが気持ちいいしさ |
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【リアム】 大変結構。なにごとも楽しくやることが 上達の第一歩です |
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【リアム】 私としても 勧めた甲斐があるというものです |
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Block1_2 | |
【ノワール】 もしかして…俺ってすごい? |
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【リアム】 ハーブ栽培において 類まれな才能をおもちなのかもしれませんね |
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【ノワール】 …ひょっとして、少し妬んでる? |
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【リアム】 そんなことはありません |
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【ノワール】 本当に? |
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【リアム】 本当です |
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【ノワール】 蕾が付いたってことは 順調にいけば花が咲くってことだよな |
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【ノワール】 どんな花なんだろう 楽しみだ |
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【リアム】 ふふっ |
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【ノワール】 ん? リアムさん今笑ったか? |
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【リアム】 失礼、つい |
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【リアム】 開花を楽しみにする貴方を見て 昔の自分を思い出しました |
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【ノワール】 昔のリアムさん…? |
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【リアム】 あのハーブの栽培には 私も最初苦労しました |
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【リアム】 何度も失敗し そのたびに先生のやり方をまねて |
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【リアム】 初めて花が咲きそうだとなったときは ガラにもなく大はしゃぎしたものです |
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【ノワール】 先生…? リアムさんにもハーブの先生がいたのか |
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【リアム】 ええ、以前少し話したでしょう 私の性根を叩き直してくれた方ですよ |
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【ノワール】 へぇ…けど、性根を叩き直すことと ハーブの栽培にどういう関係が? |
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【リアム】 お恥ずかしい話ですが… |
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【リアム】 私は昔、ある大きな町の有力者の息子に 喧嘩を売って追われる身となっていました |
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【リアム】 そんなときに偶然、ひとりの司祭に出会い 教会に匿ってもらっていたのです |
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【ノワール】 本当にヤンチャしてたんだな… じゃあ、そのときにハーブの栽培を? |
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【リアム】 ええ。教会の一室をお借りする代わりに ハーブの世話を手伝うことになりました |
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【リアム】 初めはこんな老人でもできるのだから 簡単だと思っていたのですが |
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【リアム】 さっぱりうまくいかず次々と枯らしてしまい 非常に悔しい思いをしました |
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【ノワール】 それでいろいろ勉強したのか |
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【リアム】 はい。先生のやりかたを盗み見たり 本を読んだり、試行錯誤を重ねました |
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【リアム】 そうこうしているうちに、教会で育てた植物を 子供たちにプレゼントする機会がありましてね |
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【リアム】 そこに私が育てた植物も含まれていました |
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【ノワール】 それはいいイベントだな 子供たちも喜んでくれたんじゃないか? |
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【リアム】 ええ、とても |
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【リアム】 こんな私でも誰かを笑顔にすることができる そのことをとても嬉しく感じました |
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【リアム】 そして、同時に思ったのです |
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【リアム】 もしかすると私にも 別の生きかたがあるのかもしれない、と |
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【リアム】 今思えば、先生はそのことを学ばせるために 私にハーブの世話を手伝わせたのかもしれません |
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【(選択肢)】
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Block2_1 | |
【ノワール】 いい先生だったんだな |
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【リアム】 そうですね、いい先生でした |
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【リアム】 ハーブの栽培以外にも さまざまなことを教えてもらいましたよ |
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【ノワール】 いや、それはさすがに考えすぎというか ただの偶然じゃないか? |
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【リアム】 そうかもしれませんね しかし、それでも構いません |
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【リアム】 偶然であろうとなかろうと 大切なことを学べたのは事実ですから |
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Block2end | |
【ノワール】 その先生は今どこに? |
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【リアム】 10年ほど前にとある事故… いえ、事件に巻き込まれて他界されました |
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【リアム】 「大したことはできなかったが 周りの多くの人間に癒しを届けられた」 |
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【リアム】 「誇らしい一生だった」 そう言い残してね |
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【ノワール】 ごめん 余計なことを聞いてしまって… |
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【リアム】 いいえ、構いませんよ |
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【リアム】 ――まったく。最期まで 人間とハーブが同じである必要はないのに… |
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