来たわね、ディナタン
はい
オイ王妃様よぉ、こんな人気のないトコに
幼気な後輩を呼びだすたぁどういう了見だ？
あなたのどこが幼気な後輩なのよ！
それにわたしが話したいのはディナタンで…
あ？なめてんじゃねーぞ
ディーナと話したいならまずアタシを通しな
ぐぬぬ…
まぁ、この際あなたでもいいんだけど…
あぁ？
マァル、そのくらいにして～！
すみません、ギネヴィア様！
あの…私にお話ってなんでしょうか
ほら、殿下
えっと、それは、あの…だから
あれよ、その――
？
………あなたに、聞きたいことがあるのよ！
ほら！あれ見て
ディナタンがギネヴィア様に詰め寄られてる！
確かに
もしや五月女王の座を奪われたギネヴィア様が
嫉妬して、嫌がらせをしているのでは！？
それとも学園のアイドルとしてディナタンが
もてはやされることが気に入らなくて…！？
ギネヴィアはそういうタイプじゃないだろ
…ないと思う、たぶんだけど
でも、じゃああれはなんなのよ
気になってしょうがないわ
このままじゃ私
不確かな情報を新聞部に提供してしまうわ！
…わかったよ
話を聞いてくればいいんだろ
ありがと！あとで詳細教えてね！
まったく…
- ギネヴィアたちを止める
- ディナタンに話を聞く
ギネヴィア、マルディサント！
おい、落ち着けよふたりとも
の、ノワール！？なんでここに――
オニーサンに聞かれちゃ困る話でも
しようとしてたってのか？
そういうわけじゃなくて…
…あなた、今ひとりよね？
他に誰もついてきてないわよね
あぁ
よ、よかったぁ
？
ディナタン、ギネマウアさん
なぁ、なにがあったんだ？
あ、兄さん。それがわからないの
ギネヴィア様からお呼び出しを受けて
来てみたはいいんだけど…
本題に入る前にこうなってしまいまして
なるほど…
殿下の意気地がないばかりに
もうしわけございません
？？？
ともかく、いったん落ち着こう
そうですよ
このままじゃ話が進みません
そ、そうね
ま、ディーナがいいっつーなら
あの、ギネヴィア様
私になにか聞きたいことがあるんですよね？
…そうよ
ディナタンに聞きたいこと？
いったいなにを…
あなたも知ってるでしょ
あの張り紙のこと！
え？
『学園一のアイドルと学園一の非行少女の絆！』
『水と油のふたりがどうやってGSをするまでの
絆を紡ぐに至ったのであろうか』…！
…え、なにそれ
そんな話になってるの？
ねえ、教えてよ！
どうすればタイプ違う人と友達になれるの！？
友達の作りかた、教えてよ！！！
………
要するに、殿下はお友達作りが下手なのです
お友達作りが下手…
ええ
昔はこれほどではなかったのですが
学園に来てからは
変に拗ねてしまったこともあって
つまり…ふたりがどうやって仲良くなったのか
参考にしたいってことか
なんだよ、カツアゲじゃねーのかよ
つまんね
まぁ、よく考えたら
この人がそんなタマなわけねぇか
どういう意味よぉ！
たぶん、いい意味ですよ。でも困ったなぁ
マァルとどう仲良くなったかと言われても…
まぁ、王妃殿下にはオススメしづらいよな
なんたってアタシとディーナは、腹を割っての
本気のぶつかり合いで仲深めたからな～
本気のぶつかり合い…？
ちょ、マァル！
あぁ、あれは大変だったよなぁ
妹の知らない一面を見たっていうか
アイドルにしてはなかなかカゲキな…
兄さんも余計なこと言わなくていいから！！
なるほど…
つまり、バトルをすればいいってこと…？
あの、ギネヴィアさん
それは――
ここにいらっしゃいましたか、マスター
！！
ティルフィング。どうかしたか？
はい。ランスロット卿がマスターをお呼びです
わかった。この話が終わったら行くよ
…あれ？ギネヴィアは？
コソコソしながら行っちまったぜ
なんで？
話は終わったのか？？
さぁ…さっきの答えで納得できてたらいいけど
ううん、されても困るんだけど
なんだかよくわからないな
それになんで今更友達の作りかたなんて…
…？なにか？
…私、理由わかったかも
え？
あー、そういうことか
まったく手のかかる王妃サマだ
応援してあげてね、兄さん
いや、何を…？