綺麗だな
コルベニック城の湖にも負けないだろ
勝負するものではないと思うが…
――まぁ、そうだな
もうバルバロイもいない…はずだ
きっと母さんも静かに眠れる
ローマの軍備が整うまで今しばらくかかる
それまで貴様らは母の傍にでもいてやるがいい
え…
ここはバルバロイの発生源なのだろう？
しばらくすればまた騒がしくなる。今のうちだ
…まあ、いずれその静寂を未来永劫取り戻すのが
継承者の役目だろうからな、精々励め
母君に良き眠りを
…アイツ、本当に帰っていったな
結局、ルーシャスはなにがしたかったんだろう
湖から湧くバルバロイを見て
なにか考えている様子だったけど…
さぁな。気になるならルーシャスを追いかけて
問い詰める他あるまい
…そろそろ戻るか？
あー…いや、もう少しだけいさせてくれ
なにか用事でもあるのか？
あー、まぁ、そんな感じ、かな
…わかった
じゃあ俺たちは辺りを見回ってくるとしよう
バルバロイの残党がいないとも限らないからな
ギネヴィア様を待ってるんだよね？
あぁ。あとから来るって言ってたんだけど…
間に合うのかぁ？
どうかな…
マスター
せっかくの機会です
ディナタン様と
ゆっくりお母様のお墓参りをされてきては？
え。いや、でもキミは――
私なら大丈夫ですから
マルディサント様もご一緒に
わかったよ
じゃあ、お言葉に甘えさせてもらう
（…やはり、感じる
人ならざる者の力の残滓――）
（悪しき力ではない…けれど
それ故、魔女に目を付けられかねない）
（先の戦いにおける魔女の退き際…
あまりにもあっさりしすぎていた）
（魔女は執念深く狡猾
なにかまだ、奥の手を残しているかも）
（…力が薄れ始めている
残された時間はもうあまり多くない）
（それでも、マスターが自分の武器を
見つけるまで、私は私の使命を果たす）
（二度とバルバロイに奪わせない
もう二度と――…）
これは、やはり――
（ッ！？しまった
二重に罠を仕掛けていたか――）
（まずい、このままでは――）
――ティルフィング！！