…駄目だ。全然収穫無し
力を奪われたって生徒の話は聞くけど
肝心の魔術師の情報が無さすぎる
けど
トリスタンが言う通りかなり強い魔術師のはずだ
そんな奴が誰にも知られていないなんて
…そんなこと、あるのか？
――そんなことないです！
？今の声は――
自分はなにもできないなんて
どうしてそんなふうに自分を責めるんですか
………
…「だって私
ギネヴィアさんになにも返せてないから」
「学園に来たばかりで全然馴染めなかった私を
ギネヴィアさんはたくさん気遣ってくれた」
「陰口を言われたら守ってくれて
ときには自分のことのように怒って」
「兄さんには言わないでくださいって言ったら
女の秘密ね！って笑ってくれて」
「ギネヴィアさんは本当に優しくて」
「たくさん優しくしてもらった分
恩返ししたいのに」
「そんなの全然いいのよって
ギネヴィアさんは笑ってたけど、よくない」
「全然よくないの。だって」
だって――
………
（ディナタン…）
ノワール君、ここにいたんですね
なにか有益な情報はありましたか
ラヴェイン…
…いや。あんたの方はどうだ
私も似たようなものです
まずは被害者の情報を整理してみましたが
目立った共通点もありませんでした
唯一確かな共通点といえば…
彼らが
バルバロイの対応に出た後、ということ
そういえば、ディナタンも…
それがわかんねぇんだよ
いったいどうなってんだ！？
街の外にバルバロイをぶっ倒しに行くまでは
なんともなかったってのに
…もし、バルバロイが生徒たちを
おびき寄せるための罠だったとしたら
…！
大変です！バルバロイの群れが
学園の近くに！
ラヴェイン…！
だとしても、放っておくわけにはいきません
お兄ちゃん！
行きましょう
学園を守るのが我々の役目ですから
…ああ！