…おはよ
一緒に登校、するから
………ごめん
なんか…ずっと
私、めんどくさいね
- そうだね
- そんなことない
- 一緒に登校できて嬉しい
うん…
「あっち行って」って言ったり
一緒に登校したり
ほんと、あべこべで
お世辞はいいよ
自分が一番わかってる
どうしようもないぐらい
わかってる
…そういう話、してないんだけど
イヤ、ていうか…その
そう言ってくれるのは
私も、嬉しいし…いいんだけど
………私さ
前からそうなんだ
戦ってるとき
夢中で剣を振るの
そしたら、振り回した剣で
そばにいてくれるひとをいつも傷つけてる
戦ってないときも、そう
言いたいことがあっても
うまく言葉にできなくて…
私のキラーズの──『破滅の剣』の
伝承にもあるらしいんだよね
神々の時代に…
レーヴァテインが世界を破滅させた…って
私、またそういうことをした…
あなたにも
ううん、あなただけじゃない
きっと、これからも誰かを傷つけていく
そんな気がしてならない
…バルバロイは
ひとと、思い出を喰らう
喰らわれたひとはいなくなって
そのひとのことは思い出せなくなってく
学園の空席が増えるたびに
思い出が消えたことだけを知る
私も自分の剣で誰を傷つけたのかすら
忘れちゃって、薄情だよね
きっとそばにいてくれた
大切な誰かだったはずなのに
そうしたら──
笑えなくなった
笑ったら
その誰かに悪いと思ったから
- かばってくれたとき、笑ってた
- 笑える日は来る？
…あのときは
………あなたに安心、してほしかったから
それだけ
………
来ないよ
笑いたいとも思わないし
声あげてアハハなんて
できないよ
そうやって、皆のなかに
見えない傷痕だけが増え続ける
だから、せめて私は
この痛みを感じるひとを減らしたい
少しでも多く
できる限りたくさん
あなたも、さ
戦いなんてしないで
サボってたほうが…いいよ
私たちだけ戦えばいいんだし
自分が痛いのは…平気
- 一緒に傷つこう
………！
な、に、言ってるの
変だよ、そんなの
…絶対、変
変わってる、あなた
あなたには、過去の継承者の意志が宿ってる
記憶があっても、なくても
その意志はあなたに影響を与えてる
だからそんな変なこと
言えちゃうんだよ
………いいの？
カンタンに言っちゃって
「一緒に傷つこう」だなんて──
たぶん、もがくほど痛いよ