…──ダーリン
ひさしぶり
- ひさしぶり
- はじめまして
…うん
ありがとう
わたしに気を使ってくれて
やさしいね。ダーリン
………あ、う
うん。うん…
そうだよね。ダーリン
…そっか
ダーリンはさっきの戦いで
過去の継承者の記憶を取り戻した、ケド…
過去に潜る前の記憶は
まるごと欠損したままで──
…それはもう、消えて…戻らない
………そっ、かぁ──
フライクーゲル…
あなたと友達だったことも
………全部リセット
………不自由だね
いろいろ
うん。だいじょぶっ
大丈夫なわけ、ないでしょ………？
あっ、あっ、ちがうんだよ
ダーリンの記憶がなくなってもイイとかじゃなく
わたしのキモチ的に大丈夫っていうか…！
う？ううん、えと、ショックだよ…っ！
大丈夫っていうのは、そういう大丈夫じゃ…
わ、わかります、わかりますから…
なんとかかんとか、グッとこらえられる
わたし側の問題っていうか──
ああっ、こらえられる程度のダメージ
とかいうことでもないんだけどね…！？
あっ、ウッ、あぁっ、ち、違う──
わたしのことばっか言いたかったワケじゃなくて
………ごめん
私が迎えに行ったから…
れ、レーヴァのせいじゃないよ
ダーリンの…アレコレは
本当はぜんぶわたしが
やらなきゃいけないことだったんだし
逆に、レーヴァにやらせちゃって
ごめん…
……
いちばんつらいのはダーリンで
レーヴァだって大変で──
…私のことは、いい
もっ、もちろんね？
人間、つらさに順序なんてなくて、本来たぶん！
ただ起きた出来事への向き合いかたの問題で…
わ、わかります、言わんとしていることは…っ
………さよならなワケじゃないしさ
…そう、ですね
- 忘れちゃってごめん…
それこそ、ダーリンのせいじゃないよ！
ダーリン
…わたしはね
またきみに会えて、うれしい
きみの思い出がなくなって、これから
はじめましての不自由がどれだけ襲って来ても
わたしが全部
撃ち抜いてみせる
そのためならわたし、なんでもするよ
…随分遠回しな言いかたするね
フライクーゲル…？
うん。だからごめんね、レーヴァ
なにが？
今度こそ
わたしが絶対に──
──絶対にきみを、幸せにするよ