きみと、隣の席だったんだよ
入学直後のきみを守るために
継守会であるわたしがそばにいる役割だった
そうしたら、えーと…あるとき
きみがね…言ってくれたんだ
「『はじめての友達』だ」って
それからはね、こうやって
同じ時間に登校…して、下校して…
- 自分はどんな人間だった？
強いひとじゃなかったけど
だからこそ、ひとに誠実だったよ
ひとを見て、ひとと生きてた
困ってるひとは見逃せないひとだった
わたしのおしゃべりに
静かに耳を傾けてくれてた
それで
ケンカすることなんて、ぜんぜんなかった
ダーリンは「自由になりたい」
と思ったこと…ない？
えへへ
ちょっとポエミー
好きなひとと、好きなところにいって
好きなことをして毎日をエンジョイするの
誰かの言うことを聞いて
縛られたりしないようなさ
- 自由になりたい
- 自由じゃなくていい
そう思う？きみも
誰でも一度は思うよね
でも、やっぱり自由って怖かったりして
一度は諦めたりして
こう…縛られたままでいい、と思う？
居心地がいい場所だとね
…そうかも
きみにとっては
この学園がそういう場所になりつつあるのかな
わたし、ずぅーっと考えてたことがあるんだ
どっちが幸せなんだろうって
どっちも不幸せなのかなって
世界を救うために親しい人を傷つけるのと
親しい人を救うために世界を傷つけるのと
でも、きみの人生はきみだけのものだから
きみに、みんなに…
ケーベツされるかもしれないけど
わたしは
きみを自由にしたいんだよ
ダーリン
学園を抜け出して──
──わたしと一緒に、逃げない？
………そうもいかないね。すぐには