=== 第8章 勇ましき王国 === (ブロディア城) イルシオン軍の急襲を退けた神竜軍は、 目的地であったブロディア城を訪れる。 --- OP --- [スタルーク] 着きました。あれがブロディア王城です。 見たところイルシオン兵はいませんね。 良かった…襲撃はまだのようです。 [リュール] 城門の前に誰かいますね。 見張りの兵ではなさそうですが。 [スタルーク] ま、まさかやっぱり、イルシオン兵が!? いえ、違います。あれは… 兄上です! 僕たちを迎えに来てくれたんですよ! [ディアマンド] あなたのお噂は耳にしている。 お会いできて光栄だ。 [リュール] こちらこそ、お目にかかれて嬉しいです。 ディアマンド王子。 [ディアマンド] それからフィレネ王国のアルフレッド王子、 遠路はるばる、我が国にようこそ。 事情はイヴ女王の書簡で存じ上げている。 [アルフレッド] お会いするのは、本当に久しぶりだな。 今が戦時というのが悔やまれる。 [ディアマンド] スタルークも、ご苦労だったな。 国境までの道は険しかっただろう。 [スタルーク] い、いえ…! それより兄上…ご報告が。グランスール大橋にて、 イルシオン第二王女率いる部隊の襲撃に遭いました。 [ディアマンド] なに? [スタルーク] 敵部隊は何とか退けたのですが… そこで聞いた話によると、 イルシオン第一王女が、 ブロディア王城の襲撃を画策しているようです。 狙いは我が国の『若き獅子の指輪』… このままでは危険かと。 [ディアマンド] すぐに守りを固める必要があるな。 報告、感謝する。 この件、父上にも伝えよう。 皆、城の中へ。 [モリオン] 何事だ、皆そんなに怖い顔をして。 [ディアマンド] …父上。なぜこちらに? お部屋でお待ちいただいていたはずでは? [モリオン] そろそろスタルークが戻る頃かと思ったら、 いてもたってもいられなくなってな。 予感は当たっていたようだ。 よく戻った、スタルーク。 [スタルーク] た、ただいま戻りました! [ディアマンド] 迎えはいいですが、無暗に城の外に出られては危険です。 前も何かと理由をつけては外で鍛錬ばかり… [モリオン] そう小言を言うなディアマンド。 かわいい息子の出迎えをするのに、 いちいち怒られてはかなわん。 それに、今回は… 大切なお客人がいらっしゃるだろう。 [リュール] …! [モリオン] ご挨拶が遅れて申し訳ない。 ようこそ、神竜 様。 そしてフィレネ王国のアルフレッド王子。 儂がブロディア王国の国王、モリオンだ。 [リュール] はじめまして。 [モリオン] まさか儂が生きているうちに 神竜 様と話ができるとはな。 せっかくの機会だ、歓迎の手合わせを… [ディアマンド] 父上。 今は悠長なことをしている場合ではありません。 スタルークからの報告で、 イルシオン兵の襲撃があったとのことです。 [モリオン] ほう…イルシオンの者どもが。 [ディアマンド] さらに、イルシオン第一王女が この王城を襲撃する画策をしているとか。 [モリオン] ついに仕掛けてくる気か…よかろう。 兵たちよ、急ぎ城の守りを固めよ! [ディアマンド] $ ブロディア兵士 ソードナイト1 3 ブロディア兵士 ソードナイト1 はっ! ブロディア兵士 ソードナイト1 [モリオン] 情報、感謝するぞ。よくやったスタルーク。 [スタルーク] そ、そんな… 僕なんかに勿体なきお言葉を… [モリオン] お前のその卑屈なところは、本当に直らんな。 [リュール] モリオン王。来た早々で申し訳ないのですが、 ご協力いただきたいことが… [モリオン] 紋章士の指輪だろう? [リュール] ! [モリオン] そう仰ると思って、指輪はここに持ってきておる。 『若き獅子の指輪』をな。 ほれ! 受け取れディアマンド! [ディアマンド] 父上。投げないでくださいよ。 そのまま大切に持ってくる。いいですね? [モリオン] 手厳しいな。 [リュール] あの…アルフレッド。 [スタルーク] [アルフレッド] なんだい? [リュール] モリオン王、気の良さそうな方ですね。 イルシオンに侵攻をしていると聞いていたので もっと怖い方なのかと。 [アルフレッド] あれは身内や味方に見せる顔だよ。 普段は情に厚く温厚なお人柄だが… 戦場では鬼神のようだと聞く。 敵に回すと恐ろしいよ、あの方は。 [ディアマンド] …まったく。父上には困ったものだ。 さあ神竜様、指輪をお渡しします。 [リュール] ありがとうございます。 [モリオン] で、これを、どうするのだ? [リュール] 指輪に宿る紋章士を喚び出します。 『焔向(たちむか)え、封印の紋章士<エムブレム>!』 [ロイ] 僕はロイ。こうして喚ばれたということは… また戦が始まったんだね。 [ディアマンド] 指輪から、人が…! [モリオン] なんと神々しい…我が王家に託されし指輪には、 このような紋章士が宿っていたのだな。 流石は神たる竜のお力だ。 礼を言う、神竜様。 [ロイ] ブロディア兵士 ランスアーマー1 4 " ブロディア兵士 ランスアーマー1 報告です! イルシオンのものとみられる 竜騎兵がブロディア王城に接近中! 弓兵部隊の攻撃を躱し、こちらへ向かってきます! [リュール] イルシオンの兵が!? [ディアマンド] …来たか。 神竜様、この指輪…今は私に託してくれないか。 城を守るため、力を借りたい。 [リュール] わかりました! [ディアマンド] アイビー王女。 ここまで易々と侵入するとは。 [アイビー] 投降するなら…今のうちよ。 じきにイルシオンの兵たちがここに来るわ… [モリオン] それは腕が鳴るな。 [ディアマンド] 父上は城の中へ。 [モリオン] なぜだ? [ディアマンド] 父上にもしものことがあれば国は終わりです。 ここは私たちにお任せを。 [モリオン] こうなっては言っても聞かぬか…仕方ない。 ディアマンド、スタルーク。 決して死ぬなよ。 [ディアマンド] はい。 [スタルーク] も、もちろんです… [モリオン] [アイビー] 貴方は、神竜 様…? [リュール] は、はい。 [アイビー] 妹の言っていた通り、なんて綺麗… お会いできて嬉しいわ… この指輪も、喜んでいるわね… [リュール] それは…! [アイビー] 『賢王の指輪』… お父様が与えてくださった私の力よ… この力で私は、貴方を殺さないといけない… 悲しいことだわ… [ディアマンド] そんなことはさせない。 倒れるのはあなたのほうだ、アイビー王女。 [アイビー] 投降はしないのね…残念だわ。 では、攻撃準備を… [ディアマンド] こちらも行くぞ! [リュール] 奪われた指輪を取り戻します。 今度こそ、必ず…! --- ED --- [リーフ] 僕の名はリーフ。 あるべき姿で戦えること、感謝するよ。 奪われたものたちを取り戻すため、 僕も力になろう。 [リュール] リーフ、ありがとうございます! [スタルーク] 0 [アイビー] なんてこと… 私が…失敗してしまうなんて… [ディアマンド] ここまでだ、アイビー王女。 身柄は預からせてもらう。 [アイビー] そうはさせない… 私にはまだすべきことがあるもの… [アイビー] [ディアマンド] 待て、どこに行く! [リュール] くっ…追いつけません。 ブロディア兵士 ランスアーマー1 1 " ブロディア兵士 ランスアーマー1 国境警備兵より伝令です! [ディアマンド] どうした。 " ブロディア兵士 ランスアーマー1 イルシオン王国から、新たな軍勢が! 将はイルシオン王国のハイアシンス王。 自ら軍を率いているとのことです! [ディアマンド] 王自らだと…!? " ブロディア兵士 ランスアーマー1 はい。ハイアシンス王は、 「モリオン王を出せ」とのことで…! [ディアマンド] ! [モリオン] 応じぬのは王の名が廃るな。出向かねばなるまい。 [ディアマンド] 父上!? まだ伏兵がいるかもしれません。中に… [モリオン] 良い。伏兵が出れば儂が戦う。 ハイアシンス王に伝えよ、国境にて待てと。 [ディアマンド] だめです。 国境に行くことは考え直してください。 [モリオン] 子が親を守ろうとするな。 [ディアマンド] ! [モリオン] 気になってはいたのだ。 前から多かった小言が、最近特に顕著なことをな。 何を恐れている? 戦か? 敵か? 国が制されることか? それとも王を失うことか? [ディアマンド] ………… 王を…いえ、 父上を、失うことです。 [スタルーク] 兄上…? [ディアマンド] 私は…幼い頃より次期国王だと。モリオン王亡き後、 ブロディアを支えるのだと言われ育ちました。 幼き頃よりずっと、 父上がいなくなった後を考え生きてきた。 しかし邪竜が復活し、戦が大きくなり… その未来が目前に感じられるようになり、 私はそれが恐ろしいのです。 [モリオン] …大丈夫だ、ディアマンド。 死んだら死んだでどうにかなる。 [ディアマンド] 父上! [モリオン] お前は儂を信じておらんのか? 儂は信じているぞ。儂がいなくともこの国は平気だと。 お前がしっかりと後を継いでくれるのだとな。 だがお前は儂を信じていないようだ。 こいつは負けると思っている。 弱くて負けるから守らねばと思っている。 若造が、とんだ思い上がりだ。 [ディアマンド] それは… [モリオン] イルシオンは王自ら出向き、勇敢にも呼び掛けている。 これに応じぬのはブロディアとしてどうだ? 此方は何度もイルシオンに攻め込んでいたのに 呼び掛けられた途端に隠れてはただの卑怯者だ。 良いかディアマンド。 儂は勇敢に戦い、散ることは怖くない。 それよりも、恐れをなして逃げたと 吹聴されることのほうが余程恐ろしい。 [ディアマンド] ………… [モリオン] お前はどう思う? スタルーク。 [スタルーク] はひっ! [モリオン] 儂に加え、さらにディアマンドに何かあったら お前が国を治めるのだぞ。 [スタルーク] ううっ… [ディアマンド] 父上、スタルークにそのような話は… [スタルーク] そ、そんな… …そんなことにはなりません。 兄上は僕がお守りしますので。必ず。 [ディアマンド] スタルーク… [モリオン] うむ! その意気や良し! ディアマンド、お前も恐れるのはやめろ。 我が武力の国に恐れなど必要ない。 恐れをなして進むことを怠ればそれは… …もうブロディアではないのだ。 [ディアマンド] ………… [モリオン] というわけで、儂は国境に行く! [ディアマンド] …仕方がありません。 私も覚悟を決めるしかないですね。 参りましょう、皆で国境へ。 イルシオンに我が国の覚悟を見せてやるのです。 [モリオン] ははは! では決まりだな! 儂はこの城に戻ってくるとも。 生きて、強者たちと手合わせをしたい。 もちろん、神竜様ともな。 [リュール] 私とですか? [モリオン] さぞかし強いのだろうな。 こう、どデカい竜になってグワーッと…! [リュール] 竜… [モリオン] どうした? [リュール] い、いえ。 仰る通り、どデカい竜になるかもしれませんね。 [モリオン] おおそうか! 楽しみだな。 [ディアマンド] 神竜様と戦うのは私も興味があるな。 帰ってきたら、父上の次に是非一戦交えたい。 では、出立の準備を。 [モリオン] うむ。 [モリオン] [ディアマンド] [スタルーク] [リュール] ………… …そういえば私、竜になれませんね。 母さんは白くて大きな竜に変身していましたが。 竜になる方法も、 忘れているせいなんでしょうか。 [スタルーク] 0 ブロディア兵士 ランスアーマー1 4 [モリオン] 少しの間留守にするが、城を頼んだぞ。 " ブロディア兵士 ランスアーマー1 承知いたしました。 モリオン様、ディアマンド様、スタルーク様。 [ザフィーア] 我らブロディア王城兵にお任せくださいませ。 城を守り幾年月… 我々の実力は、 王の不在時も変わることはありません。 [モリオン] 必ず戻る。 その折には皆に馳走を振る舞まわねばな。 [ザフィーア] それは楽しみですね。 ご帰還をお待ちしております! " ブロディア兵士 ランスアーマー1 王、ご武運を!! [モリオン] うむ。 [ディアマンド] 行ってくる。 [スタルーク] 行ってまいります…! [モリオン] [ディアマンド] [ザフィーア] " ブロディア兵士 ランスアーマー1 [アルフレッド] 挨拶は済んだようだね。 [リュール] 行きましょう。 イルシオン王国との国境に。 --- EV --- [アンバー] やっと止まった…! 全く、俺をいったいどこまで運んで… あ、あれ? ここは王城? あれはディアマンド様!? [ディアマンド] アンバーか!? [アンバー] これは…どうしたことですか! ブロディア王城に、イルシオン兵が! [ディアマンド] 襲撃があったんだ。しかしお前… 化け物の討伐に出ていたはずでは? [アンバー] そのはずだったのですが、馬が突然走り出し、 制止をしても聞かず… 成すがまま背に揺られていたところ、 このように戻ってきてしまいました! [ディアマンド] ふっ…本当にお前は、 いつも私の予想のつかないことをする。 [ディアマンド] Relax だが今回ばかりは有り難い。 丁度お前がいればと思っていたところだ。 [アンバー] Relax [アンバー] 我が馬はもしや、この危機を察知して…? お前賢いな、ありがとう! [ディアマンド] よく戻ったアンバー! 共にブロディア城を守ってくれ! [アンバー] お任せください! [ディアマンド] ここまで攻め込まれたら、 ブロディア城は敵の手に落ちてしまう。 何としてでも、この地点は死守するぞ。 [リュール] 敵の数が多いですね… このまま一斉に来られたら、持ちこたえられません。 [ディアマンド] 城には『弓砲台』がある。 上手く使えば、敵を減らせるだろう。 [ロイ] 行こう、ディアマンド。 僕の力を使って、この城を守りきるんだ! $ [アイビー] 絶えず増援を出しなさい… 必ず城を落とすのよ… $ [アイビー] なかなかしぶといのね… いいわ、私が出ましょう… 指輪の力…見せてあげる。 いかなる武器で来ようと、私の優位には立てないわ… [リュール] 取り戻しました、『賢王の指輪』… 今は邪竜の力で顕現しているようですね。 このままでは使いこなせません。 私の力で、もう一度顕現します。 『解放(ときはな)て、系譜の紋章士<エムブレム>!』 --- MOVIE --- [ディアマンド] 待っていたぞ、神竜様。 私がブロディア王国第一王子、 ディアマンドだ。 [アイビー] 私はイルシオン王国第一王女、 [アイビー] アイビー… 貴方たちの指輪と、 その命、いただくわ… --- BT --- [アイビー] 私と紋章士の力… その体に教えてあげる…… [アイビー] 嬉しいわ、神竜様… こんなに近くでお目にかかれるなんて… [リュール] 神竜王城より奪われた『賢王の指輪』、 返していただきますよ。 [アイビー] ふふ…もし断れば… もっと近くまで来てくださるのかしら…? [アイビー] …っ! しまった…指輪が…! " [ゼルコバ] 退け…さもなくば「消す」… 「悪く」思うなよ…これも「仕事」なんでね。 [ゼルコバ] くっ…少し「見誤った」な… アイビー様の…元へ…… [カゲツ] お初にお目にかかるのう! 余はカゲツと申す者。 我が主アイビー様のため…真剣勝負を申し込む! [カゲツ] お、おお…余の負けじゃ。 万死一生を得たゆえ、ここは撤退しよう… --- DIE ---