=== 第10章 邪竜ソンブル === (デスタン大教会) 連れ去られたモリオン王を奪還するため、 神竜軍はイルシオンの教会へと急ぐ。 --- OP --- [オルテンシア] すごい雪… [ロサード] この教会の周りは、いつもそうだねー。 [オルテンシア] お姉様、遅いな。 こんなに待っても帰ってこないってことはもう… ブロディア城で負けちゃって、 とっくに殺されてるのかもしれない… [ロサード] そんなことない! アイビー様はきっと生きていらっしゃるよ。 [オルテンシア] ありがと。ロサードは優しいね。 …あーあ。 何でこんなことになっちゃったんだろ。 ソンブル様の封印を解いてから… 何もかもめちゃくちゃ。 優しかったお父様も、あたしになんか興味ないみたい。 最近はずっと、あの人たちと一緒にいてばっかり。 [ロサード] ソンブル様と一緒に、城に現れた奴らのこと? [オルテンシア] そう。フードかぶってて顔がわかんない子と、 その世話係だとかいう四人組。 きっとたくさん指輪を持ってきたから、 お父様のお気に入りになったのね。 あたしだって指輪を取り戻したら、 前みたいに褒めてもらえるって思ったのに… あはは…大失敗しちゃった。 [ロサード] ごめん、オルテンシア。 [オルテンシア] 違うわ。 グランスール大橋でのことは、あたしのせい。 よく考えたらあたし… お父様がしようとしてること何も知らないの。 お父様がどうして指輪が欲しいのかとか、 いま祭壇でやってる儀式のことだって… [ゴルドマリー] 失礼します… [オルテンシア] ゴルドマリー。 [ゴルドマリー] あの…オルテンシア。 ハイアシンス様から、祭壇に来るようにと… それから、これを… [オルテンシア] 紋章士の指輪!? [ロサード] この前とは、また違うやつだねー。 [ゴルドマリー] これを身に着けて、 戦闘の準備をしなさいとのことで… [オルテンシア] きっと神竜サマが来たんだ。 こうなったら直接聞いてやるわ。 ブロディア城に行ったお姉様をどうしたのか。 行こう、二人とも。 [リュール] 着きました。デスタン大教会… ヴェイルが道を教えてくれたおかげで、 迷うことなく来られましたね。 早速、中に入りましょう。 [マルス] 少し待ってくれ。 [リュール] マルス? [マルス] 邪竜の気配がする。 この大教会にいるのは間違いないよ。 [リュール] …! [マルス] 僕たちは奴と戦えるほど万全ではない。 中に入って、もし儀式が遂行された後なら撤退を。 そうでなくても、危険ならすぐに教会を出るんだ。 [リュール] モリオン王を連れ帰らずに、ですか? [マルス] 嫌な予感がするんだ… ここには長くいないほうがいい。 邪竜とは、絶対に遭遇してはだめだ。 [リュール] 大丈夫ですよ。邪竜はまだ動けないと、 アイビー王女が言っていました。 指輪の半数は既にこちらにあるんです。 敵が他の全部を集めていても互角に戦えますよ。 [マルス] … 。 確かに僕たちは力をつけ、仲間も得た。 でも、将たる君が慢心してはいけないよ。 [リュール] …わかりました。 確かに私は、敵陣で暢気すぎましたね。 不思議なほど心が落ち着いていて。 これって、マルスがいてくれるおかげかもしれません。 [マルス] 僕が? [リュール] マルスや紋章士のみんながいれば 私や仲間たちは、勇気が出てくるんです。 これからもずっと、傍にいてください。 [マルス] 離れたりしないさ。この旅の終わりまで。 [リュール] ありがとうございます。 みんな、準備はいいですね? 儀式を止め、モリオン王を奪還しましょう! Default [ハイアシンス] ようこそ、この大教会へ。 歓迎しよう…忌まわしき、神たる竜。 [リュール] ハイアシンス王…! [ハイアシンス] ここに来たということは、アイビーを破ったか? 憐れな我が娘よ… 捕虜にもしていないところを見るに、 骸をその場に打ち捨ててきたと見える。 [オルテンシア] お姉様が…死んだ…!? [リュール] …モリオン王はどこですか。 [ハイアシンス] 教えると思うか? [リュール] 教えなさい! [ハイアシンス] [オルテンシア] [アルフレッド] 神竜様、祭壇の奥に人影が! [アルフレッド] [スタルーク] 父上…! あの後ろ姿は父上です!! [スタルーク] [ディアマンド] ご無事で良かった…! 今助けます! [モリオン] ………… [ディアマンド] 父上…? [モリオン] グ…ググ…… グアアアアアアアッ!!!!!! [ディアマンド] 父上っ!!!? [リュール] 異形兵に…!? [ハイアシンス] 少しばかり遅かったようだな。 儀式は既に執り行われた後だ。 [ディアマンド] ハイアシンス…貴様ぁぁぁ!! [ディアマンド] [マルス] ! 撤退の指示を! すぐにこの教会を出るんだ!! [リュール] でも…! [マルス] モリオン王はもう…! [マルス] [スタルーク] 待ってください! 撤退って…父上を置いていくんですか? このままお別れもできないんですか? [スタルーク] [ディアマンド] ハイアシンスと戦わせてくれ! このように愚弄されて、逃げるわけにはいかない! [リュール] ディアマンド、スタルーク… [ディアマンド] [ハイアシンス] 愚かな者どもよ。 [リュール] !? 扉が…! [マルス] しまった、閉じ込められた! [ハイアシンス] この大教会からはもう生きて出られぬ。 お前たちはわざわざ、指輪を奪われに来たということよ。 [リュール] ハイアシンス王… [ハイアシンス] [スタルーク] よくも…よくも父上を!! [スタルーク] [ディアマンド] 父上の仇、ここで討つ!! [リュール] 覚悟してください、ハイアシンス王! --- ED --- [リュール] 私たちの勝ちです、ハイアシンス王。 観念してください。 [ハイアシンス] く、来るな…来るな!! [ディアマンド] 父上の仇、取らせてもらう。覚悟しろ… はあっ! [ハイアシンス] ひいいっ!! [ディアマンド] くっ!? [リュール] この魔法は…… [ヴェイル] フード 3 [ヴェイル] フード ………… [リュール] あいつは、母さんを殺した…! [ハイアシンス] ありがとうございます…! 危ないところでした。 [ヴェイル] フード ここで貴方に死なれてしまうと困りますので。 儀式は成功しました。 まもなくこちらに邪竜ソンブルがまいります。 [ハイアシンス] もう動けるようになられたのですか!? 王の血を捧げた甲斐がありましたな! [リュール] ………… [ヴェイル] フード さあ、そろそろお目見えですよ。 [ヴェイル] フード 1 [オルテンシア] いやああああーーっ! お父様ああっ!! [リュール] ハイアシンス王が……!! [アルフレッド] 彼は、邪竜の仲間ではなかったのか? [ヴェイル] フード ふ…ふふふ。あはははははは! これは面白いものを見ました! [オルテンシア] は…? [ヴェイル] フード くふ、はははっ…! 見ましたか、あの顔! 裏切られたときの表情、傑作でしたね! [オルテンシア] あんた…何言ってんの…… なに笑ってんのよ!! 馬鹿じゃないの!? [ヴェイル] フード [ヴェイル] フード 顔出し 1 [ヴェイル] フード 顔出し …っ! [リュール] あれは…ヴェイル…? [ヴェイル] フード 顔出し ああ…煩いですね。 [オルテンシア] きゃあっ! [オルテンシア] [ヴェイル] フード 顔出し 折角の興が削がれました。 これだから人間は嫌いなんです。 [リュール] 別人? でも、あの包帯は私が巻いたものです。 あれは一体… [ヴェイル] フード 顔出し 自己紹介がまだでしたね。 私はソンブルの娘にして邪竜族の第一王女… 『ヴェイル』と申します。 以後、お見知りおきを。 [リュール] ヴェイル…! やっぱり、ヴェイルなんですね!? 邪竜族の王女って、どういうことなんです? 今まで私を、騙していたんですか…!? [ヴェイル] フード 顔出し 騙すも何も、こうして私たちが話すのは 初めてのはずですが。 [リュール] え!? [ソンブル] ヴェイルよ。無駄話はそこまでだ。 指輪を奪え、全て。 [ヴェイル] フード 顔出し 仰せのままに。 PP [セピア] ごきげんよう。神竜様に王族の皆さま。 お久しぶりですわねえ。 [リュール] あなたは…! [アルフレッド] 貴様は、フィレネ王城を襲撃した者だな。 [セピア] 貴様だなんてご挨拶ですこと。 まあ、あの時は名乗りませんでしたものねえ。 フィレネ王城では部下が失礼いたしました。 あの者は責任をもって、私が殺しておきましたので。 [アルフレッド] なっ…! [アルフレッド] [セピア] 改めまして、私はセピア。数千年を生きる魔竜族… そしてソンブル様のしもべですわ。 隣にいる者たちとは家族のようなものですの。 四人まとめて『四狗』と呼ばれておりますのよ。 [グリ] なーにが家族だ、竜族はあんただけ。 こちとら普通の人間だぜ。 …オレはグリ。 ヤるならさっさと終わらせる。 [グリ] [マロン] ボクはマロン。王族揃いって聞いてたんだけど… キミたち、ボクらよりオーラないんじゃない? [マロン] [モーヴ] 私はモーヴ。お初にお目にかかる。 ヴェイル様よりお話はかねがね。 [モーヴ] [リュール] 四狗だか何だか知りませんが、 あなたたちの相手をしている時間はありません。 とにかくこの場を切り抜けますよ! みんな、紋章士とエンゲージを! [ヴェイル] ふふ… [リュール] …? 指輪が… [ヴェイル] ここですよ。 [リュール] っ!? [ヴェイル] 竜の時水晶… やはり貴方が持っていたのですね。 セピアたちと楽しくお話ししている間に、 こっそり取り戻させていただきました。 全く気付かないとは注意散漫ですね。 [リュール] まさか、それを使って… [ヴェイル] はい。 指輪は全て、此方の手中です。 [リュール] か…返してください! [ヴェイル] もう六つも集めていたのですか… どうぞ、お父様。 [リュール] あ…!! [セピア] [ソンブル] よくやった…これで指輪は我のものだ。 だが、纏っている神竜の力が煩わしい。 特にこの『英雄王の指輪』… [リュール] マルス!! [マルス] …! [ソンブル] …『星炎け、始まりの紋章士』 [マルス] ううっ…あああああ!! ………… [リュール] マルス!? 応えてください、マルス! [ヴェイル] 無駄です。 あの指輪には、お父様の力が流れました。 もうあなたのマルスではないんですよ。 [リュール] そんな…! [ソンブル] 『継承えよ、聖戦の紋章士』 [マルス] [ヴェイル] [リュール] ! シグルド…! [ソンブル] 『守護れ、響きの紋章士』 『癒救せ、暁の紋章士』 [シグルド] [リュール] セリカ、ミカヤ…! もう…もうやめてください! [ソンブル] 『解放て、系譜の紋章士』 『焔向え、封印の紋章士』 [セリカ] [ミカヤ] [リュール] リーフ、ロイ!! こんなことって…!!!! [リーフ] [ロイ] [ヴェイル] クク…あはははは!! これで貴方の紋章士は全部、此方のものです! ほしかったんですよねえ、マルス。 シグルドも!! ルミエルを殺した時…その二つだけ諦めることになって、 私とっても悔しかったんですから! [リュール] ヴェイル…っ!! [ヴァンドレ] 神竜様! ここは撤退を! [ヴェイル] へえ…逃げられると思っているんですか? 指輪のない貴方たちに勝ち目はない。 ここで全員…死んでください。 [リュール] 返して…! みんなを返してください! --- EV --- [異形兵] ( [異形兵] [異形兵] [モリオン] ウウ…… [スタルーク] 父上! 正気に戻ってください! 父上っ…!! [スタルーク] [アルフレッド] なんとかして異形兵から 元に戻すことはできないのか…!? [異形兵] [モリオン] [マルス] …できない。今の僕たちでは何も。 元のモリオン王は、戻ってこない。 [アルフレッド] [リュール] そんな… [マルス] [ディアマンド] ………… 倒すぞ。 [リュール] [スタルーク] 兄上? [ディアマンド] あの状態で戦い続けることを、父上が望むと思うか? 誇り高き王として、これ以上望まぬ戦をする前に… [ディアマンド] Serious …ひと思いに終わらせよう。 私たちの手で。 [スタルーク] 兄…上…… [ディアマンド] [リュール] …進軍を。モリオン王の魂を解放し、 仇であるハイアシンスを…ここで打倒しましょう。 [マルス] あの紋章士が力を貸しているのなら、 これだけ離れていても油断はできないね… [マルス] 力を解放すれば、遠距離でも弓で攻撃をしてくる。 注意して進軍してくれ。 [リュール] ハイアシンス王が、分身した!? どういうことなのでしょう…!? [マルス] あれは彼の残像…紋章士の能力によるものだよ。 何をしてくるかわからない、気をつけよう! --- MOVIE --- [ハイアシンス] おお…! ソンブル様! [ソンブル] 此度のお前の働きで、これほどまでに力が戻ったぞ。 [ハイアシンス] 勿体無きお言葉。 [ソンブル] …だが、あと少し足りぬ。 [ハイアシンス] それでは、こ奴らを贄に。 [ソンブル] 貴様、何を勘違いしている。 [ハイアシンス] え…? [ソンブル] 我が求めるは王の血だ。わかるな? 最後にその血を、我に捧げよ。 --- BT --- " [ロサード] オルテンシアを悲しませるなら… 容赦しないよ。 [ロサード] こうやって、アイビー様も… 手に…かけたのか… $ [ゴルドマリー] すみません…そろそろ本当に… 消えてください。 " [ゴルドマリー] 死ねません…これ以上… オルテンシアを悲しませる…わけには… $ [ハイアシンス] 来たか… ブロディア王の姿は楽しめたか? $ [ハイアシンス] Relax 血を捧げた残りを態々、異形兵にする必要はなかったが… お前たちを歓迎するため手間をかけてやったのだ。 $ 精々私に感謝し… ここで死ぬがよい。 " [ハイアシンス] まさか、私…が…… [異形兵] * [異形兵] [異形兵] [モリオン] グオオオオオオォォォォッ!! [異形兵] ( [異形兵] [異形兵] [モリオン] グオオォッ…!! [リュール] …モリオン王。 生きて城に戻ったら、手合わせをしようと、 私にそう仰ってくださいましたね。 できるならこんな形ではなく、 あの城で剣を交えたかった… 行きます。せめて…全力で、 あなたを止めてみせる! [ディアマンド] 最後の手合わせですね、父上。 覚えていますか。幼い頃… 私にたくさん稽古をつけてくれたこと。 自分が何時いなくなってもいいようにと、 冗談を言いながら、私を強くしてくれたこと。 覚悟していたいつかが、今訪れたのなら… 私は、負けるわけにはいかない。 あなたが守り抜いたブロディアの誇りを… 今度は私が守る! 参ります。父上…! [異形兵] * [異形兵] [異形兵] [モリオン] グオオオオアアッ!!!! [ディアマンド] あなたにとって、私は良い息子だったでしょうか。 もっと早く聞いておけばよかった。もっと早く… [ディアマンド] Serious あなたからもらった強さに、 矜持に、愛に… ありがとうと伝えればよかった。 [スタルーク] き、来てください…父上! 倒されるのなら、この僕に! 兄上にこの役目はきっと、辛すぎて傷になる。 だから僕が…僕が… [異形兵] * [異形兵] [異形兵] [モリオン] グアアアアアッ!!!! [スタルーク] 僕があなたを討つ!! 最後に、これだけは…届くでしょうか、 今までありがとうございました、父上。僕は… あなたのことが大好きです…ずっと。 [異形兵] [異形兵] [異形兵] [モリオン] グ…ググ…… ツヨク……イキ…ロヨ…… [オルテンシア] 許さない…! よくも、よくもお姉様を!! [オルテンシア] 来たわね、神竜! 教えなさいよ… あんたがお姉様を手にかけたの!? [リュール] 違います! アイビー王女は死んでなどいません! [オルテンシア] じゃあどこにいるのよ! 生きてるっていうなら、お姉様に会わせて! [リュール] それは…! [オルテンシア] ほら、できないじゃない、嘘つき! あんただけは…あたしが討つ! " [オルテンシア] どうして…負けちゃうの… でも、ここで死んでなんか…やらないわ… --- DIE ---