=== 第22章 神竜と邪竜 === (神竜王城) --- OP --- [リュール] ………… いまのは、ゆめ…? いいえ、あれは、わたしのきおく… ここは…… ああ、そうか。私は死んだんですね。 ヴェイルを庇って。 どれだけ眠ったって、もう目覚めない。 あの時…千年前のようには。 自分の夢が叶っていたことを知るのが、 失った後だなんて皮肉です。 せめて…こちらで、母さんに会えるでしょうか。 $ [ヴェイル] 。 [リュール] ! 母さん? [ヴェイル] ………… [リュール] ヴェイル!? どうしてここに!? [ヴェイル] パパが…指輪の力を使って、 グラドロンの地を復活させたの。 そしたら魔法具に力が戻って、頭が痛くなって… 気づいたら、此処に。 ごめんね。わたしは… わたしの人格は多分、死んだんだと思う。 [リュール] …! [ヴェイル] パパから聞いたわ。 あなたがわたしのお兄ちゃんだったんだね。 [ヴェイル] パパから聞いたわ。 あなたがわたしのお姉ちゃんだったんだね。 せっかく守ってくれたのに…ごめんなさい。 わたしなんか見殺しにしてよかったのに。 [リュール] 何を言っているんですか。 私はあの時の選択を間違いだとは思いません! ヴェイルの体はまだ生きています。 あなたは、助かる見込みがありますよ! [ヴェイル] もう…無理だよ… [リュール] え? [ヴェイル] これまでだって、何度も頑張ったんだよ。 いつかパパがわたしを見てくれるかもしれないって。 異界への侵攻なんて諦めて、 家族として暮らしてくれるかもしれないって。 もし、わたしが頑張れば。 今度こそ、今度こそって思うのに… 何度も何度も、叩き潰されるの! もう疲れちゃったよ。 また死ぬのなら、また負けるのなら… ここで終わりにしたい。 [リュール] ヴェイル… [ヴェイル] ねえ、一緒に眠ろう? どうせこの世界はもう滅んじゃうよ。 わたしはきょうだいに会えて満足だよ。 こっちで、みんなが来るのを一緒に待とう。 [リュール] …そうですね。 それも、いいかもしれません。 [ヴェイル] じゃあ… [リュール] でも、私は諦められません。 大切な人たちのいる、この世界を救いたい。 それに、もう終わりにしたいだなんて思うほど、 ずっとつらい思いをしてきたヴェイルが… 報われないままだなんて嫌です。 [ヴェイル] そんなの、もういいよ。仮に戻ったとして… 戦って、あの場を切り抜けても、 指輪の力無しではパパを止められない! わたしには…紋章士の顕現はできないの。 できるのは、精巧な異形兵を作ることぐらい。 邪竜らしい最低の力だわ。 [リュール] 異形兵を… …できること、あるじゃないですか。 [ヴェイル] え…? [リュール] 私を異形兵として復活させてください。 [ヴェイル] なっ…!? [リュール] ヴェイルの作った異形兵…ハイアシンス王は… まるで、生きて戻ってきたみたいでした。 …あれなら私も、同じように戻れますよね。 [ヴェイル] そ、そうかもしれない。けど…! 異形兵のこと、苦手だって言ってたじゃない! 思わず怯んでしまうぐらいに…! その存在に自分自身がなるのよ… もう二度と、元には戻れない! 今ならせめて竜として死ねるわ。 なのに、そんな覚悟がある!? [リュール] …はい。みんなのためなら。 普通の死なんて要りません。 ただ、この戦いを終わらせることができればいい。 [ヴェイル] …! [リュール] どうか逃げないで。諦めないでください、ヴェイル。 このまま何もしなければ、ただ全て失うだけです。 今の私たちにできることは、 たぶん、これしかないんです。 [ヴェイル] でも… [リュール] …ヴェイルには、夢はありますか? [ヴェイル] 夢? [リュール] 仲間に言われたんです。生まれは関係ない、 大事なことはその人が何をするかだって。 その人が何を夢見て、どう生きるかで未来が変わる。 ヴェイルは、何になりたいですか? [ヴェイル] 考えたことなかった。そんなこと。 でも、もしも今から変われるのなら、 わたしは… あなたみたいな、世界を救う竜になりたい。 [リュール] 私たちは、やっぱりきょうだいですね。 [ヴェイル] ? [リュール] その言葉…私も昔、 ある人に言ったことがあるんですよ。 ヴェイルの夢は、きっと叶います。 戻って、一緒に叶えましょう。 [ヴェイル] …わかった。 わたし…がんばる。 もう一度だけ、がんばってみるから。 だから待ってて、お兄ちゃん。 もう一度だけ、がんばってみるから。 だから待ってて、お姉ちゃん。 [リュール] はい、ヴェイル。大切な妹… 私はあなたを、心から信じていますよ。 [ヴェイル] 黒 悪 2 [ヴェイル] 黒 悪 あはははは! 皆ここで死ぬんです。 抵抗などやめて、楽になりましょう? [モーヴ] ヴェイル様、目を覚ましてください!! [ヴェイル] 黒 悪 もう一人のわたしが恋しいのですか? ではモーヴ、貴方から殺してあげます。 向こうであなたの主に会えるといいですね! [モーヴ] くっ…!! [ヴェイル] 黒 悪 …? ……う、うう……っ! [ヴェイル] 黒 悪 [モーヴ] …ヴェイル様? [ヴェイル] 黒 善 2 [ヴェイル] 黒 善 まだ、歯向かいますか…… 往生際が…悪いですね…… そうだよ…わたしは… おとなしく死んでなんかやらない… [ヴェイル] 黒 善 [モーヴ] [ディアマンド] 独り言か? [アイビー] 様子がおかしいわ。あれは… [ディアマンド] [アイビー] [モーヴ] まさか、戦っていらっしゃるのですか。 …本当のヴェイル様が。 Default [ヴェイル] お兄ちゃんは…わたしを信じてくれた。 だから…わたしも自分を信じる! Default [ヴェイル] お姉ちゃんは…わたしを信じてくれた。 だから…わたしも自分を信じる! 煩いですよ! 死ぬのはお前のほうです! 泣くのも惨めな思いをするのも、負けるのも全て!! いいえ…いいえ!! わたしはもう自分には負けない!! こんなもの、粉々にしてやるんだから…!! なに…!? ヒビが入っているのなら、壊せる! 消えるのはわたしじゃない…あなたよ! やめろ…やめなさい!! 嫌だ…死にたくない…お父様…お父様! パパはわたしを助けになんか来ない! さようなら…もうひとりの私!!!! ……ぁぁぁああああああああああ!!!!!! …はあ、はあ、はあ… …はあ、はあ… ふう… [モーヴ] ヴェイル様!! [ヴェイル] …モーヴ。 わたしは…もう、大丈夫だよ。 [モーヴ] 良かった。本当に良かった… ここまでお一人で…よく頑張られました。 [ヴェイル] 一人で戻ったんじゃないよ。 お兄ちゃんがいてくれたから。 [ヴェイル] 一人で戻ったんじゃないよ。 お姉ちゃんがいてくれたから。 [モーヴ] 神竜殿が? [モーヴ] [ヴェイル] …急がなきゃ。 冥界の番人よ…死した体に再び生命の息吹を。 此の者を異形なる兵として具現し給え… 甦れ! 異形兵 ! [リュール] ………… [モーヴ] 神竜殿が…異形兵に… [モーヴ] [ミスティラ] どういうこと!? 今度は、神竜様と戦えっていうの!? [ミスティラ] [ディアマンド] そんな事ができるわけない! それだけは…! [リュール] …待ってください。みんな。 [ディアマンド] え? [リュール] 違うんです。 私はみんなと戦う気なんてありません。 異形兵となったのも、私が願ったこと。 ヴェイルが私の願いを聞いてくれたんです。 どうか信じてください! [ディアマンド] [アルフレッド] どういうことだ。本当に君なのか? [リュール] はい。 私は…皆と共に旅をした 。 この身が何になろうとも、その事実だけは… この心だけは変わりません。 [アルフレッド] ! [アルフレッド] [ヴェイル] お兄ちゃん! これ! [アルフレッド] [ヴェイル] お姉ちゃん! これ! [リュール] 『英雄王の指輪』…! [ヴェイル] 体の近くに落ちてたの。 力を失っても…傍にいたかったのね。 十二の指輪の紋章士は、 役目を終えたせいで力を失っているわ。 顕現…できる? [リュール] ヴェイルが頑張ってくれたんです。 次は私の番ですよ。 [ヴェイル] うん! [リュール] …マルス。やっと、迎えに来られました。 どうか姿を見せてください。 『星炎け、始まりの紋章士!』 ………… [ヴェイル] そんな…何も起こらない…? [ヴェイル] [リュール] くっ…! ここで終わったら何もかもおしまいなんです! 皆を守るために、世界を救うために… お願いです。 もう一度力を貸してください! …『星炎け! 始まりの紋章士!!』 [マルス] ………… [リュール] マルス…! …ありがとう…! [マルス] ………… [アルフレッド] 紋章士マルスを顕現した!? でも、あれは…邪竜の… [アルフレッド] [ヴェイル] お兄ちゃんの体は今、わたしの力で動いているわ。 紋章士の顕現も邪竜の力を使うことになる。 [アルフレッド] [ヴェイル] お姉ちゃんの体は今、わたしの力で動いているわ。 紋章士の顕現も邪竜の力を使うことになる。 [マルス] $ [異形兵] [異形兵] [ウォーリアー] ギャオオ!! [ヴェイル] [ディアマンド] っ!! なんだ、こいつら…! 紋章士に反応してるのか!? [リュール] 時間がありません。 私の力で、全ての紋章士を再び顕現し直します! この場を切り抜ける方法はこれしかないんです。 すぐには信じてくれなくていい… それでも、今は共に戦ってください!! --- ED --- [リュール] 全ての紋章士を顕現できました。 敵も片付いたようですね。 [ヴェイル] 良かった… [アルフレッド] すまなかった。二人とも。 [リュール] アルフレッド? [アルフレッド] 疑ってしまったんだ。 君が異形兵として蘇った時… これはソンブルの策で、僕たちを互いに 殺し合わせようとしているのではないかと。 けれど…共に戦って分かったよ。 君たちは間違いなく味方だ。 [アイビー] 戻ってきてくれて嬉しいわ。 それがどんな形でも… [リュール] 信じてくれて、ありがとうございます。 [アルフレッド] [ミスティラ] ヴェイル王女もありがとう! あなたが頑張ってくれたおかげだよ。 [アイビー] [ディアマンド] よくぞ自分自身に打ち勝った。 そして神竜様を連れ戻してくれた… そうでなければ私たちは皆、 この場で死んでいただろう。 [ヴェイル] い、いえ…そんな。 [ディアマンド] [リュール] [ヴェイル] [リュール] 嬉しいです。 これでまた、みんなと一緒に… ……? [ヴェイル] どうしたの? [リュール] 身体が、動きません… [ヴェイル] 手が…!! [リュール] 消えかけています… [ヴェイル] どうして? 致命傷を受けていないのに、 こんなに早く消えるはずないわ。 その身体には限界まで力を与えたはずよ。 もし、それが尽きたというのなら… 十二の紋章士を顕現する力に、 到底及ばなかったということ…? [リュール] 私はそんなに… すごい力を使っていたんですね… [ヴェイル] 大丈夫よ。 もう一度わたしの力を…! 冥界の番人よ、死した体に…… [リュール] ううっ!! [ヴェイル] 受け付けない…!? 身体が、もう耐え切れないということ…? [リュール] ありがとう…ヴェイル。 私は、ここまでのようです。 [ヴェイル] ! [リュール] 安心してください… 紋章士は、十二人揃っているんです。 私がいなくても、みんななら… きっと、ソンブルを止められます。 [ヴェイル] いやよ。せっかく頑張れたのに。 一緒に夢を叶えるって言ったのに…! [リュール] ごめんなさい。 またそんな風に悲しませて。 せめて最期に、役に立つことができてよかった。 皆をここで死なせずに済んでよかった… でも…本当は、みんなと、 最後まで共にいたかったです… [ヴェイル] お兄ちゃん…! [ヴェイル] お姉ちゃん…! [リュール] やっと指輪を取り戻せたのに。 やっとみんなで手を取り合えたのに。 託された使命を、 この手で果たしたかった… 平和になった世界を… この目で見たかったです…! [リュール] …光? [ヴェイル] 不明 1 不明 …竜の子よ。力を望みますか。 皆と共に、最後まで戦う力を。 [リュール] この…声は…マルス…? [アルフレッド] 十二の指輪が、力を…? [ヴェイル] きれい… [ヴェイル] [アルフレッド] [リュール] …これは。 [ルミエル] 約束していたの…眠る前のあなたと。 次のお誕生日に、あなたに似合う 素敵なものをプレゼントするって約束。 いつか… あなたのお誕生日に渡そうと思って。 お誕生日おめでとう、 。 [ルミエル] [リュール] …どうして、この指輪が… [マルス] それが君の、紋章士の指輪となったんだよ。 。 [リュール] マルス! その姿は…! [マルス] 君が神竜の力を取り戻したおかげさ。 その指輪にはルミエルの…神竜の力が宿っていた。 いつかこうなることをわかっていたのかもね。 君がこうして、生まれかわることを。 [リュール] 私は死んだはずなのに、この姿は… それに、紋章士の指輪って…? [マルス] 君は十二の指輪の力で、新たな生を受けたんだ。 十三番目の紋章士… 『絆炎の紋章士<ファイアー・エムブレム>』として。 [リュール] 絆炎の紋章士<ファイアー・エムブレム>… 私が、十三番目の紋章士に? [マルス] [セリカ] そうよ、 。 その指輪は、新たなる紋章士の指輪となったの。 私たちの依り代と同じに。 [セリカ] [シグルド] しかし君は、元より精神体である私たちと違い、 この世界の肉体も持っていた… そのせいだろうか。こんな風に、 紋章士として特殊な性質を持つこととなった。 [リュール] …! 異形兵となる前の体… [シグルド] [リーフ] 紋章士としての力は指輪に込められる。 竜族が石に、竜の衝動を込めるようにね。 君はあの時、確かに死んでしまった。けれど、 新たな肉体を持つ紋章士として生まれ変わったんだ。 [リュール] 十二の指輪の力で…ですね。 でも、どうしてですか? 指輪の力は千年に一度きり。 既にソンブルに授けられてしまったはずです。 [リーフ] [ロイ] それは、この世界の者には告げられない秘密… 十二の指輪が持つ『もう一つの力』のおかげだよ。 [リュール] もう一つの力? [ロイ] [リン] あなたも紋章士になったことだし、 このことを明かしてもいいかもね。 [リン] [エイリーク] 紋章士の指輪には、千年の時を待たずして、 力を強制的に発動できる『紋章の奇跡』があるんです。 [エイリーク] [アイク] 奇跡の条件は、十二紋章士全員が一所に集い、 誰一人違わず同じ願いを持ち、祈ることだ。 [リュール] それって… [アイク] [ミカヤ] あの時私たちは、全員で祈ったの。 「 と共に戦いたい」と。 [ミカヤ] [ベレト] 但し、行使すれば代わりに…それから何千年待とうと、 二度と力を与えることはできなくなる。 [ベレト] [ルキナ] 私たち十二紋章士がこの世界に与える力は、 あなたに託したもので最後となります。 [ルキナ] [カムイ] この先の力をすべて使ってでも、 私たちは、あなたと共にいたかったんです。 [カムイ] [マルス] …それが、初めてひとつとなった、 紋章士全員の願いだったんだよ。 [リュール] みんな… [マルス] 死した命は戻らない… けれど、こうすれば君を救えると思ったんだ。 勝手なことをしてすまない。紋章士となるのは、 君の本意ではなかったかもしれないけれど。 [リュール] いいえ…! 二度も死を迎えた私を、 救ってくれてありがとうございます。 この先…世界に力が与えられずとも、 私と仲間たちが必ず皆を守っていきます。 それから… 言うのが遅れてしまいましたが、 おかえりなさい。マルス。 あなたとこうして話がしたかった。 イルシオンで離ればなれになってから…ずっと、 待たせてしまってごめんなさい。 [マルス] 何も気にしてなんかいないさ。 目覚めを待つのに比べたら、瞬きよりも短かった。 改めて、よろしく。 これからは同じ紋章士として。 [リュール] はい! [マルス] [アルフレッド] ああ、本当に良かった…!! [ミスティラ] も、もう! 一人でいなくなるなんて… そんなのはナシだよ! [アルフレッド] [ヴァンドレ] もう、どこにも行かれませんな? このヴァンドレ、何度肝を冷やしたことか。 [ミスティラ] [アイビー] 私も祈ったの…最後まで神竜様と共に、と。 きっと皆、同じ気持ちだったのよ… [ヴァンドレ] [ディアマンド] ああ。紋章士としての力、 この目で見ることが楽しみだ。 [リュール] みんな。 心配かけてごめんなさい。 私はもう、どこにも行きません。 皆と最後まで戦います。 [ディアマンド] [アイビー] [ヴェイル] これからはずっと一緒にいられるね。 [リュール] ヴェイル。私がここにいるのは、 あなたのおかげでもあるんです。 ありがとう… [ヴェイル] ううん! わたしこそ。 あなたが庇ってくれなかったら、今頃死んでいた… お礼を言うのはわたしのほう。 本当に、ありがとう。 [リュール] なんです、この揺れは!? 地震…!? [マルス] いや、違う。 それとは比べ物にならない、強大な力を感じる。 浮上したグラドロンの地で、 何かが起こっているのかもしれない。 [ヴェイル] 外に出よう! [リュール] リトスの海に、大陸が… [ヴェイル] これが、グラドロンの地… [マルス] 上空で異界の扉が開きかけている。 力を得たソンブルが、異界へ侵攻しようとしているんだ。 [リュール] 早く止めに行かないと。 [マルス] そうしたいところだけど… 結界に阻まれていて辿り着けそうにないね。 [ヴェイル] 大陸を覆うほどの巨大な結界だわ。 こんなに強大な力を使うだなんて… パパは誰にも邪魔されたくないのね。 わたしたちをこの世界から出さない気よ。 [リュール] 結界は解除できるんですか? [マルス] 力の源である『邪竜紋』を破壊すればいい。 邪竜紋は神竜紋と同じく、力を持った紋章だ。 でも、それがどこにあるのか… [ヴェイル] わたし、わかるわ。 [リュール] ヴェイル? [ヴェイル] グラドロンの地に、力の渦を感じるの。 同じ邪竜だから感じ取れるのかも。 全部で二つ…いえ、三つ。 こっちの方向よ。わたしについて来て。 [リュール] ではこれよりグラドロンの地へ。 邪竜紋を破壊し、結界を解除しましょう! --- EV --- [ヴェイル] 紋章士の指輪は、 この場に散らばっているみたい。 お願い、お兄ちゃん。 指輪に近づいて、もう一度顕現して。 お願い、お姉ちゃん。 指輪に近づいて、もう一度顕現して。 [リュール] 見つけました…! 『教導えよ、風花の紋章士』… 『燃起れ、覚醒の紋章士』… 『吹翠れ、烈火の紋章士』…! [リュール] ここですね。 『守護れ、響きの紋章士』… 『癒救せ、暁の紋章士』…! [リュール] いきますよ…! 『勇闘え、蒼炎の紋章士』… 『継承えよ、聖戦の紋章士』… 『晴碧れ、聖魔の紋章士』…! [リュール] さあ、姿を見せてください。 『焔向え、封印の紋章士』… 『解放て、系譜の紋章士』… 『竜穿ろ、選択の紋章士』…! [リュール] やりました…! 全ての指輪を集めました! --- MOVIE --- [リュール] ………… [ソンブル] ググ……この我を… 父を…殺すというのか…… やれるものなら…… やってみろ…… [ルミエル] どうして、あなた一人で…! [リュール] やりました、かあさん。 これで、このいくさは…… ……あ…… [ソンブル] 愚かな子め… [ルミエル] ああ…!! [リュール] やはり…じゃりゅうは、ほろびるさだめ… ただしいりゅうには、なれませんでした… [ルミエル] なれるわ。あなたなら生まれ変われる。 [ルミエル] いつか、そんな日が来たら、私… あなたに似合う素敵なものを、 お誕生日に贈るの… [リュール] あり…がとう… いつか…かなうのなら… まっしろな、ふくをきて… かがやく、けんをもって… あなたのような… せかいをすくう、しんりゅうに…… …死してなお戦った竜の子よ。 もう一度、立ち上がりたいと願いますか… 戦いたい…ここで終わりたくない。 この先どれだけ辛くても、 世界を救うまで戦いたいんです。 あなたたち、紋章士<エムブレム>のように…! その願い、受け取りました。 貴方に力を授けましょう… --- BT --- --- DIE ---