=== アルフレッド & エーティエ === --- C --- [アルフレッド] 素晴らしいね。 今日はなんていい天気なんだ。 [エーティエ] 左様でございますわね、アルフレッド様。 絶好のお茶日和ですわ。 [アルフレッド] 僕はエーティエの淹れてくれるお茶が… 本当に大好きなんだ… [エーティエ] そ、それでしたら… お代わりをどうぞ… [アルフレッド] い、いや…遠慮しておくよ… [エーティエ] わかりましたわ… くっ… [アルフレッド] うう… さすがにもう持っていられない…限界だ! [エーティエ] 先にティーカップを置かれましたわね。 あたくしの勝利ですわ。 [アルフレッド] ああ、僕の負けだよ、エーティエ。 言い訳すら出てこない。 [アルフレッド] しかし、この筋肉鍛錬用ティーカップ、 前の時よりも重くなっていないかい? [エーティエ] 以前よりも鉛を大幅に足しましたの。 [アルフレッド] 道理でお茶を口に運ぶのにも 苦労したわけだ。 [エーティエ] この程度で音を上げてもらっては困りますわ。 筋肉鍛錬の道は過酷な道… [エーティエ] 勝負も、鍛錬も、 まだまだ続くのですから。 [アルフレッド] 望むところさ、エーティエ。 これもすべて強靭な肉体のために。 [エーティエ] ええ、アルフレッド様。 強靭な肉体のために。 --- B --- [アルフレッド] ふむ、さてどうしたものか。 [エーティエ] アルフレッド様。 どうするもこうするもございませんわ。 [エーティエ] 飲むしかございません。 こちらの筋肉増強剤、改を。 [アルフレッド] そうだね… これも強靭な肉体を得るためだものな。 [エーティエ] 左様でございますわ。 [エーティエ] あたくしが独自に調査をし、作り上げたものです。 効果は確実かと。 [アルフレッド] エーティエ、僕は嬉しいよ。 こんな素敵なものを作ってくれるなんてね。 [アルフレッド] ただ…匂いが… [エーティエ] そこは申し訳ありません。 [エーティエ] 素材にアレやコレがたくさん入っていますので。 どうにもなりませんでしたわ。 [アルフレッド] というと? [エーティエ] 強靭な筋肉を持った者たちへ 聞き取り調査をし… [エーティエ] その者たちの好物をすべて、 一緒に煮込みましたの。 [アルフレッド] すべて… [エーティエ] 他にも色々と良さげなものを あたくしのチョイスで調合してみました。 [アルフレッド] ちなみに味はどんな感じなのだろうか? [エーティエ] まったくもって不明ですわ。 あたくしはまだ飲んだことがございませんので。 [アルフレッド] なんということだ… [アルフレッド] 自分よりも僕を優先してくれたなんて… 感動だよ。ありがとう、エーティエ。 [エーティエ] 当然のことですわ。 アルフレッド様。 [アルフレッド] そのような優しさを受けておきながら 匂いや見た目で飲むのを躊躇していた自分が恥ずかしい。 [アルフレッド] エーティエ。 ありがたくいただくよ。 [アルフレッド] 強靭な肉体のために! [エーティエ] 強靭な肉体のために! [アルフレッド] ごくっ…ごくっ… [アルフレッド] …ぷはっ。 [エーティエ] 如何でしょう。 [アルフレッド] うん… [アルフレッド] 人の飲むものではないかな。 [エーティエ] 申し訳ございません。 --- A --- [アルフレッド] さて、エーティエ。 今日はどんな早朝鍛錬をしようか。 [エーティエ] 走り込みなどいかがでしょうか。 [アルフレッド] 了解した。 競争するかい? [エーティエ] いえ、それでは御身を守れませんので… 並走して走れたら嬉しいですわ。 [アルフレッド] わかったよ。 …ん? [エーティエ] 如何されましたか? [アルフレッド] 美しい花がたくさん咲いている。 鍛錬は、少し見てからでも遅くないだろう。 [エーティエ] 承知いたしましたわ。 [アルフレッド] 綺麗な花を見るといつも思い出すよ。 [アルフレッド] エーティエが色とりどりの花を 両手いっぱいに運んでくる姿をね。 [エーティエ] あたくしの故郷は花が名産ですから。 王城に馳せ参じる際はよく持参しましたわ。 [アルフレッド] 母上やメイドたちもとても喜んでいたよ。 [エーティエ] それは光栄ですわ。 [アルフレッド] そういえば、知っていたかい。 [アルフレッド] 母上は元々、 エーティエを僕の妃にと考えていたようだよ。 [エーティエ] あらまあ、それは初耳ですわ。 [エーティエ] …ですが、合点がいきました。 [エーティエ] なぜ幼馴染のセリーヌ様ではなく、 アルフレッド様の臣下に任命されたのか… [エーティエ] 長年不思議に思っていたのですが、 ようやくその謎が解明されました。 [アルフレッド] エーティエにとっては迷惑だったかな? [エーティエ] とんでもございません。 あたくしはアルフレッド様の臣下となれて嬉しいです。 [エーティエ] でも、まさかあたくしが、 お妃候補だったとは… [エーティエ] ………… [アルフレッド] ………… [エーティエ] …ぷっ。 [アルフレッド] あはは! [エーティエ] イヴ様には申し訳ないのですけれど、 考えられない話ですわね、アルフレッド様。 [アルフレッド] ああ。 僕たちは今の関係以外は考えられないよ。 [エーティエ] 同感ですわ。 [エーティエ] あたくしとアルフレッド様の間にある強固な絆は… 主君と臣下としてのもの。 [アルフレッド] そして、鍛錬仲間としてのものだね。 [エーティエ] ふふふ。光栄ですわ。 [エーティエ] では、そろそろ走り始めましょうか。 身体がうずうずして参りましたわ。 [アルフレッド] ああ、エーティエ。 これからも共に鍛錬をしてくれ。 [アルフレッド] 強靭な肉体のため… そして、世界の平和のために。 [エーティエ] ええ。アルフレッド様。 あなた様の幸せのためにも。 --- S ---